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2022年9月時点の投資スタンス(米国株の見極めを意識)(運用状況)

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 FRBの金融引上げにより米国株は軟調に推移しています。普通なら、ダウ指数が3万を割り込めば、米国株の購入も視野に入り、1~2銘柄の米国株を購入するのですが、あいにくの円安のため、円資金での米国株購入は安易にできません。  そう思うと運用利回りが低くても外貨MMFについては、500万円程度の残高維持をしていればよかったと後悔するこの頃です。 1.予想される当面の株価推移  私の個人的な見解では、インフレが収束するまで米国ダウの調整は続くと想定し、今時点ではどこが底になるかは見当がつきません。 ただし、これらを占う上でGAFAMの決算状況がカギとなります。GAFAMが発表する9月、12月、3月決算でどこまで安定的な決算を出せるかであり、 〇安定的な決算を継続していけば、今後の金利上昇局面でもダウの調整は限られたものになるでしょう。 〇逆に、決算と成長性が思わしくないとなれば、ダウは大幅な調整をすることになり、2万5千ドルも視野に入るかもしれません。  そういう意味ではアップル、マイクロソフト、アルファベットの決算概況を注意深く見ていかなくてはいけません。 2.債券投資の優位性  私は、この株価調整の本当の要因は、以前も書いたように時価総額がGDPに比べ、あまりにも膨れ上がっていることへの調整であると睨んでいます。インフレは、膨れ上がった金融資産と実物貨幣価値の乖離を調整しているのであり、この仮定を踏襲すると最低でも数年間は、株価は右上がりに向かいにくいと推測できます。さらに、この調整局面で銘柄間の下剋上が生じて、下落する銘柄はどこまでも下落するかもしれません。  つまるところ、そんな動きに左右されず、金融引き締めで金利が上昇している債券投資はとても優位な投資先となっています。 3.当面の投資スタンス  今のダウ銘柄を見ると、連続増配の優良銘柄であるスリーエムやベライゾンの株価は長期的に見て、狙い目の価格帯になっています。ドルベースで見れば、実質5%~7%の配当利回りを長期間安定的に享受できる状況下にあります。私は円安でなければ、すぐにでも購入したいと思う水準です。結構、おいしい状況です。  しかし、この円安基調を黒田日銀総裁在任中に転換するのは期待薄であり、当面この状況が続きます。そう考えると円安は相当に憎たらしいと思うのは私だけでしょうか。  それ以外のスタンスとし

インテルに凋落の兆し (個別銘柄:米国株)

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    1.半導体産業の王座転落  インテルは半導体産業の盟主です。半導体シェアの推移は、1982年8位、1993年1位、 1999年1位、そして2021年1位とそうそうたる実績です。それにも関わらずインテルは斜陽と言われて久しいのです。それは、スマホ台頭における市場シェア獲得の失敗、GPU市場におけるエヌピディアなどの台頭。データセンターに代表される大手IT企業のCPU内製化の動きなど成長分野で強みを発揮できていないことが理由として挙げられます。さらに、追い打ちをかけるように半導体産業は設計と製造の分離が進んでおり、総合半導体メーカーであるインテルは設計及び製造技術において専門メーカーの後塵を拝しています。市場は、そんなインテルを冷ややかな目でみているようです。   2 . 製造における技術低下  インテルの決算を見るとサムスンと絶望的ともいえる開きが生じており、 令和4年の第2四半期の決算報告を例にとると サムスンの増収の幅がインテルと比べ圧倒的に大きいだけでなく、 インテルは大幅な減益でサムスンは大幅な増益です。両社の発表は、インテルは需要が一巡したための低迷、サムスンはハイテク大手のクラウド需要が好調と真逆となっています。これは、インテルの製品が市場から受け入れられていないことを示唆し 、 半導体製品という点では、インテルは サムソンと TSMC に追い付くことが出来ない程の技術的な差が生じてしまった事を表しています。それだけではありません。後ろには中国企業が猛追しています。インテル は 、かつての 米国の主役産業であった 鉄鋼や自動車と同じ 轍を踏んでいるかのようです。 3. 政府の 後押しも期待薄 米国政府は、戦略的産業である半導体を底上げするために、インテルなどを念頭に半導体の生産や研究開発に527億ドルの補助金を打ち出しました。しかし、こういった補助金が今のインテルに有効に働くとは思えません。私は、インテルの低迷がたんなる資金面の事情ではなく組織によるものと確信しています。 つまり、組織は隆盛を極めて、大きな組織になればなるほど官僚化し内向きの社内政治が闊歩し、最後には市場から見放され過去の栄光から凋落していく。そして、一旦凋落したら二度とかつての栄光の戻れなくなる。そうやって企業は栄枯盛衰及び新陳代謝を繰り返してきた。 

投資家視点の戦後経済(13) IT(ドットコム)バブル発生と崩壊(1999-2001)

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  1.  IT(ドットコム)バブル(米国 ) IT   業界では、 1996年 の Windows95ブーム により 個人やオフイスでのパソコン普及が加速し、 Windows95に搭載される周辺のソフトウエアの需要が 増加した 。さらに Windows95を搭載したパソコンとサーバを組み合わせてビジネス用途のアプリケーションを安価に構築することが可能になり、メインフレームからのリプレース も 急増した。 それと同時に ネットワーク環境の急速な 発展が インターネット普及 を促して ネットワーク機器を専門とする企業 が 潤うことになる。このような背景により IT産業は空前の 好景気 となり、 I T 関連企業が多い NASDAQ指数 は 1996年 の 1000前後 から 1999年 には 2000 を突破し、 米国市場を大きく盛り上げた。さらに、 アジア通貨危機 を食い止めるための 金利引下げ が 過剰流動性のマネーを生んだ。それが IT産業に流れ込 んだ事で IT(ドットコム)バブル を発生させ、 NASDAQ指数 は 5048 を 記録するまでに爆騰する。 マイクロソフト、インテル、オラクル、シスコシステムズなどの大手新興 I T 企業は、米国の時価総額ランキング上位を占め、エクソンモービル、 GE、コカコーラ等と肩を並べるようになる。投資家は未来のマイクロソフトやシスコシステムズを発掘しようと、赤字続きで経営に問題のある ベンチャー 企業、さらには IT技術 者やベンチャー起業家 が 未来の 夢 を だけを説いた荒唐無稽な プレゼンテーション 資料にすら 多額の資金 を投入した 。 人々は、そういった 異常な 状況を「ニューエコノミー」とか「 IT革命」呼んで持てはや す一方、この相場は異常であると警報を発するエコノミストも少なくなかったが、いつ弾けるのかについては誰もが口をつぐんだ 。   2.IT(ドットコム)バブル(日本 ) 米国発の 「ドットコム・バブル」 は、不良債権に苦しむ日本経済に一時の好景気をもたらすことになる。 99年の春ごろになると、 日本市場は 米国相場の影響 下に組込まれるように 「ドットコム・バブル」銘柄 の暴騰 が始まる。 米国 NASDAQ市場と同じようにソフトバンク、光通信、Yahooなどの新興IT企業の株価が異常なくらいの