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22世紀 非婚化の向こうに恋人(ヒューマノイド)の時代がくる(:時事情報の分析)

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 〇出生率低下は自然の流れ  日本だけでなく世界中で出生率が低下している。これは女性の高学歴化と米国的なリベラリズムの浸透と時期が重なる。そもそも高学歴女性は、キャリア実現と出産適齢期の20~40歳が重なってしまう。さらに、高学歴がゆえに結婚相手のハードルを自動的に高くして恋愛の機会損失を作りあげている。結果として女性の独身比率を高めている。しかし、女性の社会進出は年を追うごとに高まっており、この現代文明が破綻しない限りこの流れを止めることはできないであろう。 〇マッチングサイトの弊害  男女間の恋愛が難しくなり、パートナーをマッチングサイトに頼るようになったことで結婚難を助長してしまった。マッチングサイト上に記載するスペックが出会いの足切りとなるという機会損失が起こしている。出会えばお互いに気心が通い合いそうな人に対しスペックのかけ違いで出会う前から拒否をしてしまうということが繰り返される。さらに、「結婚が一生に一度だけする大切なもの。だから結婚する相手は後で後悔しないように慎重に選ばなくていけない」気持ちで相手を選んでいたら、スペックと相性の両方を求めることになり、いたずらに月日を重ねるのは目に見えている。 〇自由恋愛が浸透していない地域だけが人口増という皮肉  伝統的なアラブ諸国のように、街中で女性が容姿を表立って見せてはいけない。又は、結婚相手は親族や親せきが決める文化が残っている地域は、今まで通りに結婚し、それなりに子供を儲けている。そういった意味では、イスラム圏の少子高齢化は相当先になる可能性が高い。このように伝統的な慣習に縛られている地域だけが現在においても人口を維持できている。限りなく科学を発展させ古いしきたりの壁を崩し続けている現代人にとっては、これは大きな皮肉である。そして、あの米国でさえ、移民がたくさんの子供を産み。2世3世になると少子化に落ち着く。そのため、人口を増やすために常に子供をたくさん産む新しい移民を大量に受け入れることになる。それで人種論を展開しているのは皮肉なパラドックスにしか見えない。 〇あのインドにも非婚化の波 日経の記事に、「インドで1億人がアプリ婚活 人生の選択AI頼み」という見出しがあった。これを読む限り、我々の想像以上にインドにも先進国と同じような結婚難や少子高齢化の波が水面下で進んでいるようだ。これでは、インドは発展

逆イールドカーブと今後の景気動向(経済情報との向き合い方)

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  初版 20220402(旧タイトル 逆イールドカーブが示唆する高インフレとの向き合い方) 改版 2023/01/13、2023/04/29 2023/07/01 1.はじめに  米国債市場では、短期債と長期債の利回りが逆転する逆イールドカ―ブ現象が続いている。  今回はこの現象について考えてみる。   2.逆イールドカ―ブ現象の意味すること 逆イールドカ―ブ現象の意味すること。それは、貨幣の過剰供給の最中、コロナ禍以降のロジスティック断絶下のなかでのロシア制裁によるエネルギー価格高騰が発端で、短期的なインフレが発生したというのが大方の見方である。しかし、製造技術が高度化した昨今では「供給>需要」が起こりやすく、余程の事がない限り、高インフレになりくい環境下にある。これが長期金利の上昇を抑える要因となり、結果としてFRBがFFレートを引き上げても長期金利が追い付くことができない逆イールドカーブを導いている。 3.逆イールドカーブとリセッション  FRBは、インフレを悪性にさせないために景気を冷やす事を覚悟しながら金融引き締めに挑んでいる。とはいっても、高インフレ下の不景気(スタグフレーション)を起こさないように気を配りながらだが。  FRB幹部は、当初インフレを甘く見ていて市場がインフレを危惧し長期金利が上昇し始めた。(2021年)➾今度は、FRBはこのインフレを放置すると70年代の再来になると判断し急激な政策金利の引上げを実施したが、市場がインフレはそれほど深刻でないと判断し逆イールドカーブを形成するようになった。(2022年)。市場は70年代の再来はないと強気に見込んでいるが、インフレは市場が想定するほど下がっておらずインフレ率2%はまだまだ遠い。その一方、インフレ率は徐々に下がっており、FRBが危惧するほどの悪性インフレではないという雰囲気も散見される。FRBは、政策金利が5%を超えてからその効果を見極める姿勢をとっている。経済はしかし、複合的な要因でなりたっているので、インフレがこの先どのような展開を迎えるかは誰にもわからない。ただし、インフレ率に2%の定着は相当先になるのだけは間違いない。 4.2024年の大統領選挙  相場への影響を推測する場合、イールドカーブ動向以前に、やはりz業業績の動向がカギになる。その中でも「GAFAM+テスラ」クラスの横綱銘柄

浜田宏一を参考に大物経済学者の発言を投資家視点で分析(経済情報との向き合い方)

  初版 4月8日 旧:アベノミクスの草案者(浜田宏一)のインタビューから見え隠れする経済政策の実験的な側面 アベノミクスの経済政策の筆頭ブレインであった浜田宏一イエール名誉大学教授の最新のインタビューが東京新聞に載っていた。今回は投資家目線でこのインタビューを考えてみる。 〇超金融緩和が国民全体に富を行き渡らせられなかったことに対する浜田名誉教授の回答 「予想外だった。僕は漠然と賃金が上がっていくと思っていた。安倍首相もそう思っていたと思う。ツケが川下(の中小企業や労働者)に回った。賃金が殆ど増えないで雇用だけが増えるようなことに対して、もう少し早く疑問を持つべきだった。普通の経済学の教科書には、需要が高まっていけば実質賃金も上がっていくことになっている。ツケが川下(中小企業、労働者)に回すようなシステムで調整されるなんてことは書いていない。意外で望ましくない方向に行っている。」  正直、日本を代表する大物経済学者でさえ、実経済の運営は困難を極めることが露呈された感がある。浜田宏一名誉教授の言葉を拾い上げると、大学の研究室で高尚な理論を追い回しているようなもので、街角に出て、そこに漂っている民衆の現状や空気感とは別の次元で研究をしているようだ。 〇アベノミクスのメリット  とはいえ、投資家から見れば、アベノミクスは決して悪いものではなかった。それなりに投資利益を得られたからだ。しかし、株価の上昇がほんの一握りの値嵩銘柄に偏ったために、多くの投資家の懐を暖めるまでにはいかなかった。実は米国相場もGAFAMなどの一握りの銘柄指数を押し上げただけで日本と大きな相違があったわけではない。 〇トリクルダウンの正体 実際、金融緩和で広がったのはトリクルダウンではなく二極化である。金融緩和は金融市場を暴騰させただけで庶民にお金が廻らず、街角景気と金融市場が完全といってもよい程に乖離してしまった。どうもトリクルダウンというのは、高度成長期のように養分を吸収が可能な経済構造に有効な施策であり、各々産業で制度疲労を起こしている成熟化した社会では起こりにくいようだ。だからこそ、現在の金融政策を補填するかのように、間接ではなく直接的にお金を配る施策が目立ち始めている。 しかし、二極化は世界中で起きている現象であり日本特有の議論ではない。だからこそ、ピケティは「21世紀の資本」著書の中で、

金融緩和の局所的な副作用としての日本の不動産高騰 (経済情報との向き合い方)

初版 2023.06.24 改版 2023.09.01  日本は少子高齢化の進行により人口減少社会に突入して久しい。このため、不動産価格も一部のエリアを除けば下落傾向が続いているのだが、ここ1~2年においては、不動産バブルの再来というべき現象が一部の地域で起きている。 1.不動産バブルに関する記事 〇全国に広がる「家が買えない」 京都も福岡も首都圏も郊外化加速(日経ビジネス)。 〇福岡市近郊 億ション相次ぐ福岡 新幹線で佐賀に脱出も (日経)  23年1月1日時点の公示地価で、住宅地の対前年上昇率が北海道に次いで大きかったのが福岡県。博多や天神、その周辺といった福岡市の中心部は「普通のサラリーマンでは、もう手が届かない」(不動産関係者)。 米国領事館などがたたずむ閑静な住宅街に、10階建ての分譲マンションが姿を現した。大和ハウス工業が手掛けるこの「プレミスト大濠二丁目」は、全35戸が1億円以上という強気の価格設定だ。 〇都心中古マンション1億円迫る 購入コスト29年ぶり高水準 (日経)2023年1月24日 東京都中心部のマンション価格が高騰している。東京カンテイ(東京・品川)が24日発表した2022年の都心6区の中古マンションの平均価格は9800万円と1億円の大台に迫った。 〇住宅価格はバブル超え、郊外は息切れ感も 不動産会社は富裕層に照準(日経) 都心部のマンションは中間所得者層にとって「高根の花」になりつつあります。住宅価格が上がる一方で、国内の平均給与は伸び悩んでいます。マンション価格が購入者の収入の何倍にあたるかを示す「年収倍率」は、東京都で購入目安を大幅に上回る14〜15倍程度です。 〇地方にも「億ション」 首都圏はバブル超え。(日経) ・沖縄県首里城下町に「2億ション」 沖縄の地価、伸び再加速 ・福岡都心、初の全室「億ション」登場 坪単価10年で2倍 ・マンション高騰、近畿圏でも 大阪うめきた2期最高額へ 〇新潟市内マンション供給、十数年ぶり高水準(日経) 2022年12月6日 2.金融緩和継続による行き場のないマネーの行方  不動産価格は、一部の地域を除いて下落傾向が続いているにも関わらず、上記のようにここ1~2年の不動産価格の上昇報道には異常なものがある。これば、恐らくだが、金融緩和

植田日銀総裁就任会見に垣間見る~ルビコン川を渡った金融緩和政策~(時事情報の分析)

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金融緩和の局所的な副作用としての世界の不動産高騰(経済情報との向き合い方)

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  初版 7/08/2022 (旧タイトル 投資視点で不動産を考える) 1.不動産バブルが経済成長を終焉に導く  経済成長が正常に機能すれば不動産価格は上昇する。これは日本の高度成長期を見れば一目瞭然である。しかし、その結末は、80年代の日本の不動産バブルのように不動産価格の異常なほどの高騰であり、やがてそれが破裂し、長期低迷に陥ってしまう。日本はいまだにその後遺症から立ち直れていない。  バブル時は不動産価格の暴騰で一般庶民が大都市の不動産所有が困難になり、不動産を待つ者と待たざる者の格差を発生させた。その一方、国力という点では、ジャパンマネーは、世界中に流れ込み我が世の春を謳歌することにもなる。また、21世紀初頭には、中国がチャイナマネーとして世界をけん引する。規模に違いはあるが、韓国や台湾も地価上昇によって富が蓄えられ日本と同レベルの生活水準に達した。このように不動産価格の高騰は国富を膨らませるだけでなく、膨大な不動産成金(富裕層)を輩出させる富の源泉でもある。 2.過剰な金融緩和が導く不動産バブル  過剰な金融緩和は不動産市場を活性化させる。日本のバブル景気時代だけでなく、21世紀初頭の世界中の過剰な金融緩和も、投資マネーとなって世界中の優良不動産をバブル化させた。その後のサブプライム暴落で天文学的な不良債権問題に発展するかと思われたが、FRBを筆頭に世界中の中央銀行がさらなる金融緩和政策を実行したことで、不動産バブルが一部の地域で再発することになる。 例として、中国における不動産価格状況を見ていくと 深センや北京市は年収比の50倍超え、上海市や広州市は年収比の40倍超え(上海万得信技術より)まで高騰した。それ以外にも年収比10倍以上を超える地域が20か所弱にも及ぶとの調査結果もある。 近隣諸国を見渡しても、香港、ソウル、台北など中心部の不動産価格は年収比10倍超えとなっている。 それだけでなく、パリ、ロンドン、バンクーバー、アムステルダム、シドニー、シンガポールなど世界の名だたる大都市の不動産価格が年収比10倍以上となり、億超えの物件が当たり前となっている。 3. 少子高齢化が不動産市場を二極に向かわせる  日本は80年代バブルをはるかに凌駕する金融緩和を続けているが、都心部でさえ平均7000~8000万程度の不動産価格に留まっている。日本は少子高齢化によ

投資視点で不動産を考える 仮想空間という黒船 (時事情報の分析)

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  1.仮想空間の時代 ①我々の生活はネットに吸い込まれている  IT技術が私たちの生活に欠かせなくなりました。今や様々なものがネットを経由する時代。証券や銀行取引だけでなく、飛行機、電車、宿などあらゆる手配がネットで済ますことができるよういなった時代。これまで物理的な店舗でしか取引できなかったものが仮想空間に取り込まれて、渦を巻くようにその対象範囲は年々拡大しています。さらに、最近はオンライン飲み会など人々の交流すらオンラインに移行しています。 これからはメタバースの普及も見込まれ、我々はネット上の仮想的な人物を作って生活をおくるようになります。 ②商業用施設の減少 今までは、どこの街にもたくさんの商業用ビルやテナントで溢れていました。週末になると街に出てショッピングなどはお決まりのコースでしたが、これら商業用テナントはネットに拠点を構えるようになっています。そうなると街中の商業用不動産の用途は減ります。これは不動産価格の下落を示唆します。 実際、地方都市にいけば、シャッター商店街だけでなく、空きビルや銀行などの支店もかなり減っています。 仕事場も、コロナ禍によってテレワークが可能になり、かつてのように従業員の作業場所としての広いオフィスも必要でなくなりました。 このように、街の商業用の物理的スペースがどんどん必要なくなってきています。 ③コロナ禍によって人々のライフスタイルが変換  コロナ禍によって、人々はいままで以上にネットに頼るようになりました。実際、仕事、買い物、娯楽、友達とのコミュニケーションの全てがネットで完結できます。そして人々は、多くの人が集まって騒ぐよりも、自分の世界を大切にするようになりました。人々は、自然と生活空間における物理スペースをネットに移行しています。このように、コロナ禍は、人々の生活様式の変化を10年近く早めたといっても過言ではありません。 2.金融緩和が引き起こす不動産価格の怪  これから、世界中で人口減少が深刻化し、商業用不動産の空きテナントで膨れ上がる事が予想されます。世界中で不動産価格の停滞が予想されます。少子高齢化によって不動産の利用用途も縮小します。特に、地方郊外の場合、空き家問題は深刻ですが、都会のマンションの空き室問題も意外と深刻です。不動産価格とは不思議なもので、多量の空き室がありながらも都心に近づけば近づくほ

ハイテク銘柄バブル崩壊の兆しの現象を検証(時事情報の分析) 220423

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  今年の世界相場は、高インフレが起因の金融引締め圧力、そして中国のゼロコロナ維持によるロックダウン、と相場の下押し圧力に事欠きません。  幸い、ダウやナスダック等のインデックス指数は、そんな中でも持ち堪えており、大きな下落には至っておりません。日本においては、円安進行という神風でこれら下落分を相殺しているだけでなく、逆に資産が増えている投資家も少なくありません。  しかし、相場の変調はこれから説明する通り地中深く静かに進行しています。そのトリガーは、どうもハイテクバブルを起した新興 IT 企業のようです。 1.  ネットフリックス、ペイパル  これら銘柄は綺麗にバブル崩壊のチャートを描いています。この分だと会社の業績に関わらず、過去に多くのバブル銘柄が歩んできた株価の長期低迷の軌跡を歩むことになりそうです。 2 .   メタ、エヌペディア   これら銘柄は、 GAFA の一角と半導体の盟主というある意味大物です。しかし、株価は冴えません。メタに至っては GAFA の一員と言えども、事業範囲の狭い事が禍いしているのか、ネットフリックスやペイパルと同じ立ち位置で扱われているようです。一方、エヌペディアは高すぎた PER の是正が絡んでいるようです。 3.アップル、アマゾン   王者の風格が漂っているのか、株価への影響は殆どと言ってありません。アマゾンは昨年度から成長鈍化が決算に表れていますが、株価への影響は今のところ軽微です。次決算も期待薄ですが、株式分割と自社株買いの発表のおかげで下値圧力がありません。アップルに至ってはすこぶる堅調です。 これら企業は世界中で最も英知の集まった超超優良企業です。なので、今後の動向は簡単には予測できません。 4 .   まとめ   上記の通り、局所的ですが IT バブル銘柄の崩壊は始まっています。世界は深刻なインフレ下にあり、世界中の中央銀行が金融引き締めに動いています。これは新興 IT バブル企業にとっては大きなマイナス要因です。今後は、何処まで裾野が拡っていくかが焦点です。  この辺も踏まえ、ハイテク企業の今後の決算等の動向を注視していく必要があります。 追記)当時、私は、チャートを眺めながら2000年前半のITバブル崩壊を意識していた。つまり、IT銘柄は相当な期間をかけて調整局

ロシア(SWFIT)凍結は単なる相場の調整材料 (経済情報との向き合い方)

   1.ロシア(SWFIT)凍結 市場は、ロシア(SWFIT)凍結で右往左往しているように見える。しかし、これは単なる相場の調整材料に過ぎない。 私見では、ロシア(SWFIT)凍結は短期間で解決するような単純な話ではない。大国ロシアの威信をかけた戦いだ。ロシアに相当有利になる条件を西側が提示しなければ、ロシアはこの戦いを降りるとは到底思えない。マスコミはプーチンを名指しで非難するが、そこには、ロシア民族のプライドと長年に渡って培われたロシア民族のイデオロギーが根底にある。 2.経済への影響 西欧諸国がロシアを制裁することで、原油とガスの供給が遮断されることになる。しかし、それは資源高を導きインフレを誘発することになり、西欧諸国の庶民の生活を圧迫することになる。しかし、化石燃料の代替先は簡単には見つからない。その期間が長くなればなるほど、経済に与える影響はインフレという形で代替される。 3. 投資家はどうしたらよいか?  ロシア(SWFIT)凍結は、膨れすぎた株式相場の一時的なガス抜きに過ぎない。市場は、ロシア(SWFIT)凍結が終われば、インフレと米国の金融政策に焦点が移る。そして、大きく暴騰する事はないが、大きく下落する事もなく相場は推移する。と想定している。  米国市場はリーマン・ショック後に株価を大きく膨らました。そして、コロナショックで限界まで行きついている。 相場は、それらに対してインフレに化けて調整に入っている。そのため、ロシア(SWFIT)凍結にかかわらず相場は上昇カーブを描きにくい。  このため、調整局面に強い株。それは以前投稿したが、オールドエコノミー―的な超優良銘柄である。実際、この局面でも、コカ・コーラ、ベライゾンなどは動揺していない。動揺しているのは、ここ数年で大きく飛躍した企業群である。  こういった銘柄で配当を楽しむのも一つの楽しみ方であろう。 当ウェブサイトの情報は、個人的な私見を述べたものにすぎません。このため、当ウェブサイトに掲載された情報によりなされた判断及び一切の行為は、閲覧者の自己責任においてなされるものとします。いかなるトラブル・損失・損害に対しても、一切責任は負いません。

米国株投資の黄金時代の黄昏(インデックス投資の低迷)(経済情報との向き合い方)

  唐突な結論だが、これからの10年間は、インデックス投資は旨みのない投資法になるかもしれない。  確かに、過去10年間の米国株式市場は、一極集中の黄金時代であった。そして、その旨みはインデックス投資に凝縮されていた。しかし、そんな時代も黄昏を迎えようとしている。これは米国市場が衰退し、他の国が隆盛を極めるという構図ではない。NYダウ指数やS&P500のインデックスパフォーマンスが著しく低下するということである。  米国以外の先進国市場は成熟期を迎えて久しい。西欧諸国(ドイツを除く)の2000年以降のインデックス指数は全くと言って上昇していない。中国も米国を伺うまでの経済大国になってはいるが、上海市場はリーマン・ショック前の高値から6~7割の水準でしか推移していない。2000年のドットコム・バブル、そしてリーマン・ショックを経た世界の株式市場において、上昇基調を維持しているのは米国市場だけである。そんな世界一強い米国にも成熟化の波は忍び寄っている。 その根拠は、以下の通りである。 ① 米国株式市場の時価総額のGDP比は、2012年100%、2019年150%。そして2021年200%近辺で推移している。そもそも株式市場の時価総額はGDP比で100%を超えると危険水域と見なされてきた。それでも、様々な要素から200%の水準を肯定できたとしても300%は現実的な値ではない。逆に、今後は膨れすぎた時価総額という風船に対して実経済への乖離を縮小する方向に向かうと考えるほうがが妥当であろう。 ② インデックス指数は、GAFAMを中心とした大型ハイテク株の占める割合が高い。今後もこれら銘柄の株価が上昇すればインデックスも上昇するが、残念ながらGAFAMの時価総額は臨界点に達していると私は見ている。 ③ 21世紀前半に世界経済を支えてきた中国経済にも偏重が見られそうだ。中国経済の国富は世界の工場で築かれたものではなく、驚くほどに上昇した不動産価格が運んだ富によるもの。その不動産市場も、恒大グループに代表されるように曲がり角を迎えている。共産党政府は、日本の二の前にならないように秀逸な対応や政策を打ってくるのは間違いない。しかし、不動産価格がこれ以上の上昇をして、中国の富を膨らませていくのは到底困難である。 ④ そうなると、次はインド,アフリカの出番だが、こ

相場の事は相場に聞け 岸田内閣の評価(経済情報との向き合い方)

  1.岸田内閣に対する市場評価  第100代総理大臣に岸田文雄氏が選ばれました。それについて、相場はどのような評価をしているのかについて検証していきます。  相場の動きをそのまま解釈すれば、ちょっと厳しめな発言となりますが、「実力不足」ということなります。相場は岸田内閣に対して期待をしていない可能性があります。  これでは、選挙に勝てないといって辞職した菅内閣より市場評価が低い事になります。  菅総理より良くなることを目指した総裁選が、直前の選挙結果を除けば、全て逆方向に向かう事のないように願いたいのですが。 2.外部要因を比較  一方、日経平均が下がっているのは、恒大集団や米国市場の暴落などが重なりあった為で、岸田内閣の評価とは全く関係ないという意見もあるでしょう。  では、これらの評価について、 日経インデックスに大きな影響を与える米国ダウとの比較することで検証していきます。比較期間は、総裁選のスタートする頃の9月1日をベースにします。    日経平均 米国ダウ 09/01  28,451    35,312  09/15  30,511    34,814 09/30  29,452    33,843 10/08  28,048    34,746  この総裁選では、当初は河野太郎氏が次の総理大臣になるのではという思惑で、日経が3万円を超えました。9月15日頃までは日経平均は世界の相場の中で独歩高です。 しかし、岸田文雄氏が優勢に変化するにつれて、日経平均も下降線を描き始めます。  それでも、9月30日を見る限り、岸田総理が確定した時点の市場評価は、河野総理ほどではなくても、一定の理解を得られていたようです。  実際、米国ダウが大きく下がっているにも関わらず、日経平均が一定レベルで踏み留まっていることからも読み取れます。  しかし、その後です。 岸田総理が本格的に動き出すのに併せて、日経平均と米国ダウは乖離していきます。  これは9月15日と10月8日を比較することで読み取れます。  つまり、日経平均下落の要因は、恒大集団や米国市場の暴落などでは説明しきれません。  明らかに岸田内閣の評価が反映されたものとなります。 3.市場はなにを訴えているのか。  一つ言えることは、岸田内閣の組閣にノーを突きつけているのでしょう。市場は岸田総理やそのスタッフの力量を高

恒大集団の動向見極め (経済情報との向き合い方)2021.09.26

  1.恒大集団ショックを考える  私は、経済ニュースをこまめに追っているわけではないので、月曜日の米国市場の大暴落はまさに青天霹靂でした。朝起きて何がおきたのかとニュースを見ると、「恒大集団のデフォルト危機、リーマン・ショックの再来か?」旨の記事にぶつかり、さらに映像では債権者が恒大集団の本社ビルの前で金融商品の返金を求めて抗議をしている様子が報道されていました。 私は、これを受けて火曜日の中国市場をウオッチしていました。しかし、上海市場で混乱が起きていないことを受けて、この騒動に一定の解を得ました。 中国では恒大集団の件が大きな問題になっていない。 となるとこの暴落は外国人投資家によるシステマティックな変動に過ぎない。 というものです。 2.今後の恒大集団の動向  これは私の私見ですが、恒大集団の動向については、今回のような多少の波乱も含め、中国政府の想定の範囲内で処理を進めていくものと思っております。 そして、中国政府は、恒大集団の債務について、その後の影響を踏まえながら切り捨てる債権者と守るべき債権者を区別していくことでしょう。  実際、米国を筆頭とした西欧諸国と調整を取って、ある程度のシナリオは出来ていると思われ、FOMCの声明も、「恒大集団危機については、中国国内の問題である」との認識に至っています。 3.今後の中国の不動産政策  私は、今後の中国の不動産政策に注目しています。中国のバブル崩壊論は10年以上前から何度も出没しています。幽霊マンションやゴーストタウンの話もしかり。しかし、中国経済はそんなことをものともせず成長しています。 中国政府は、日本の不動産バブル崩壊を含め不動産価格と経済の関係については相当研究しています。 そうなると、中国は不動産価格が暴騰しないように政策面で規制をかけながら、恒大集団のように暴走した企業を長期にかけて整理していく。そんなシナリオが浮かび上がってきます。 中国は不動産価格の上昇に伴う経済成長と庶民が購入できるよう不動産価格抑制の相異なる政策をバランスよく運営していく事を狙っているのではないでしょうか? ただ、この危機が恒大集団だけに留まるのかは注視しなくてはいけません。恒大集団の件が氷山の一角なら、これは別問題です。 それは日本のバブル崩壊後の莫大な不良債権処理とも重なりあってきますので。 4.世界の相場を巻き込むよ

日経平均は自民党総裁選を睨む動き(経済情報との向き合い方)

  1 . 自民党総裁選  菅総理が自分党総裁選に出馬しないと宣言しました。これを受けて 9 月 3 日(金)の株式相場は大幅に上昇しました。 でも菅総理は、アベノミクスを継承しており、経済面での失態はしていません。確かに、コロナ対応はちょっと雑であったような気もしなくもないですが。総理交代のニュースでなぜ株式市場が大幅高したのかは不明です。 次の総理が誰になるかは、私にとっては重要です。その後の投資方針にも大きく影響してきますので。   2 . 次の総理と経済政策 私は投資家視点で、次の総理が、経済政策でどこまで踏み切れるのかについて考えてみました。   2-1. アベノミクスの継承 アベノミクス路線の継承是非は一つの焦点になります。とはいっても、アベノミクスもスタートから 10 年近く経過し、勤続疲労も起しています。このため、アベノミクスの継承如何に関わらず、潮目は変わる可能性もあるので、その辺を十分に考慮しておきたいものです。 2-2. 日本型デフレの対峙 今の日本では、デフレが 20 年以上に渡って続いており、その解消に苦労しております。そもそも、デフレは消費者の意識が後ろ向きになっていることの表れです。本当の意味でデフレを解消するのなら、米国などのように勝ち組をたくさん増やして、そういった人たちに贅沢品をいっぱい買わせれば良いのです。 今の日本は、いい悪い関係なく平等社会ですので、年収に関係なくみんなが不安になり、高いものを買わなくなっています。年収 1000 万だろうが、年収 2000 万だろうが 100 円ショップやディスカウントショップなどの低価格の製品を喜んで買っています。今の日本では高額商品の売上は中国などの訪日客がその役割を担っているのです。 しかし、日本もある程度の格差を容認する社会になれば、一定レベル以上の富裕層は、 100 円ショップ等の低価格商品の購入を恥ずかしく思うようになり、贅沢品とはいわないまでも、ブランド力のある商品の購入が促進され、統計上のデフレは薄まります。 しかし、今の日本社会ではそんな不平等が許されるわけがありません。なので、デフレは社会構造上の問題ともいえます。   2-3. 世代間格差の深刻さ  今の日本では、高度成長期やバブルの恩恵を享受した高齢者層

日本の80年後半バブルを投資家視点で再検証 (時事情報の分析)

1.バブル経済の産声  80年代中頃から、日銀はプラザ合意に二極化相場は豊かによる急激な円高不況を抑制するために、公定歩合を戦後最低の金利である2.5%まで引き下げたことが発端でバブル経済がスタートしました。  初めは、株式市場が経済指標とリンクしない状態で独自に上昇していたことから、「不景気の株高現象」と言われていました。  ただ、この高騰は過去の経験則とは明らかに異なるもので、特に国際競争力の高い銘柄を中心に史上高値を連日にわたって更新するということからスタートします。  当時の四季報には、「この円高不景気の最中、株式市場だけが活況を呈している。これも何らかの株価の先見性を暗示しているのでしょうか?」旨の記載があります。明らかにそれまでの経験則による動きと異なるものであったことが伺えます。そして、代表的な暴騰例がNTTの上場です。 2.NTTの上場 NTTは1987年2月9日に株式公開されました。その売出し価格は一株119.7万円でした。しかし、あまりにも買いが殺到し、初日には値が付かず、翌日に160万円で初値がつきます。それ以降も買いは止まらず4月には1株318万円の空前の値を付けます。そのように暴騰するNTT株は社会現象にまでなります。  また、個人株主はその当時160万人とも言われ、個人投資家からみた政府系企業への信用度の高さも物語っています。しかし、その後は徐々に値を切り下げ、バブル崩壊後の92年は売り出し価格の半値以下である50万円を伺うところまで値を下げています。その頃の記事には、今度は個人株主団体がNTT株に関する損害賠償請求を国に申し立てていたりしています。 3.相場の過熱  このように相場の過熱は徐々に社会現象になってきました。1987年の日経は1万9千円台弱からスタートして、その後は順調に株価を切り上げ1987年10月には2万6千円を伺うところまで上昇しています。  しかし、米国発のブラック・マンデー大暴落により、世界中の市場が調整に入ります。(尚、この時も世界大恐慌への発展が懸念されましたが、欧米相場はその後に立ち直りを見せます。)日経も2万1千円台まで調整しましたが、日本市場は、その後、欧米を凌ぐ独歩高の様相を呈し、翌年の1988年に引き継がれます。 4.不動産バブルも発生  そして、この頃に巷では地上げ屋が社会現象になります。カネ余りの

元本保証商品の運用利回りは壊滅状態 (時事情報の分析)

1.資産運用におけるキャッシュの必要性 長期投資家である私は分散投資を心掛けます。なぜなら、きっちりと分散投資をすれば、有事が起きても攻めの姿勢で相場と対峙できるからです。  実際、一つの籠に卵を入れて運用したら、有事の際、身動きが取れなくなります。皆さんのなかにも、コロナ禍の大暴落で騒然とした方も少なくないのではないでしょうか。  キャッシュは、そういった暴落の時に力を発揮するのです。そういった、相場が低迷している時に購入した銘柄は投資家に莫大なリターンを与えてくれます。   2.元本保証商品で利率の一番高い商品が国債 しかしながら、キャッシュは利息を生みません。そのため、投資家はいつでもいくらかの利息を得ようとキャッシュに類似した商品に投資します。手っ取り早いのは銀行の定期預金。これは誰でも簡単にできます。そして、かつては証券会社の MMF 、中期国債ファンドなどもありました。国債はそういった元本保証系の商品群の中で利率が一番高い商品です。  しかし、国の債務残高が1千兆円を超える今に至っては、書店で「日本国破産。国債は紙屑に!」というタイトルの本が所狭しと並べられ、本当に購入して大丈夫なのかと不安に掻き立てられます。確かに債務残高という点ではそういうことも言えなくもないのですが、日本は、今のところ、債務超過どころか世界一の債権国です。  縮小経済だ!人口減少デフレ社会!と言われても世界一の債権国である日本の通貨(円)は世界でトップクラスの信用度です。当面は安全であると断言できます。 国債は、そういった意味では、元本保証の商品のなかで、最もお金を増やすことができる商品の一つです。   3 .雀の涙より少ない利息 では、元本保証の商品の利率を見ていきましょう。メガバンクの定期預金の利率は 0.002% です。視力検査でいったら、ド近眼どころではないですね。どうせド近眼でも、 0.1% は欲しいですが、レーシックでもしない限り戻らない状況です。これがどれくらい利息を生むかですが、 100 万円を預けてもたった 20 円しか利息が付きません。たった 20 円!。。。。です。何が買えるのでしょうか。「うまい棒」を 2 本?がやっと。子供向けの駄菓子すら満足に買えません。この利息では全てが終わっています。 では、国債はと