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NIKEも成長の限界か

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  NIKEは、世界最大のアスレチックシューズ、アパレルのサプライヤーであり、スポーツ用品の大手メーカーである。そしてDOW30の構成銘柄である。DOW30銘柄は、その業界の巨人ではあるが、安定感のある成熟した企業も多く。株価が大きく跳ね上がることはない。現時点においてダウ指数を押し上げているのは、マイクロソフト、アップル、アマゾンなどのいわゆるGAFA関連銘柄群である  一方、NIKEは企業年数という点ではGAFAMに近いが、ここ数年は成熟株と同じような動きをしている。NIKEのビジネスは、スポーツ市場におけるブランド力という強みである。今後、世界的な健康志向への高まり考慮するとNIKEのビジネスも大きな成長を見込めそうだが、現実にはそうなっていない。    実は、私は数年前からNIKEを投資対象銘柄としてウオッチしていたが、実際に購入するまでに至らなかった経緯がある。特に21年の暴騰局面の時は投資しなかったことに後悔をしたほどだ。とはいえ、2年後には株価は半値近くにまで落ち込んでいる。  株価は熱狂しているときに購入するとリターンが少ないと言われる。しかし、こういった壁を幾度もぶち破ってきたのがGAFAMを筆頭する大手IT銘柄である。  今時点ではNIKEに投資しなかったことが正しかったといえるが、こういった所に株式投資の難しさが内在している。  投資の難しさについては、話は余談になるが、コロナ禍の時、熟練した投資家は、世界大恐慌やITバブル崩壊、リーマンショックなどの経験則から二番底を意識していた。しかし、相場は右肩上がりの上昇を続けて二番底は来なかった。逆に、投資経験の浅い投資家ほど、相場の流れを素直に受け入れてビックテック株やインデックス株に投資して、大きなリターンを得た。コロナ禍の相場では今までの経験則が通用しなかったのだ。   私は、テクニカルな産業動向分析はしない。NIKEの経営陣がどのようにしてこれから長期にわたって自社の売上を成長させていくかを見極めたい。それは、技術的な分析ではなく、会社の長年にわたる決算報告の癖から判断する。そういった点では5年~10年の株価チャートをみる限り、NIKE側の企業成長戦略や組織体に対する限界が示唆されているようだ。  またここ数年でPERレンジの訂正もされている。その結果NIKEのPERは20倍近辺にまで低下した

バッフェットでも「 弘法も筆の誤り」をする?(雑感)

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  先日のニュースで 「バフェット氏はパラマウント・グローバル株をすべて売却し大損をしたことを告白。「2022年にパラマウントに投資したのは100%、私の決定だった」と述べ、投資の失敗を認めた。」 というのがあった。 このニュースで、私は投資の神様であるバフェット氏投資のミスを犯すことを痛感させられた。 そもそも、バフェット氏は、投資対象のビジネスモデルを重視しており、企業経営者は何代か続いているうちに能力の劣った者が就任してしまうものだ。だからこそ、馬鹿が経営しても安定的な収益が見込めるビジネスモデルを持った企業に投資しろと述べている。  バフェット氏は素晴らしいビジネスモデルで持っている企業が経営者の能力不足で実力以下の経営成績や株主還元をしている企業を探す。私はよくわからないが、「パラマウント・グローバル」は同業他社が到底追いつくことない強みがあったのだと思う。   そしてバッフェトは、そういったターゲットに対し、大量の株式を購入して大株主になり、その企業に対し経営圧力をかけていく。一般の投資家は単に投資するだけで事業者への経営改善はできない。事業者のなすがままである。それに対し、バッフェトが大株主なら事業者は是が非でも結果を出さなければならない。その成功例がアップルであり、日本の総合商社である。しかし、ビジネスモデルが想定より強固でないことが判明し失敗するケースもある。その代表がクラフトハインツである。今回のパラマウントも同様の誤算であろう。 誰もがバフェットの投資する銘柄にはハズレはないと信じ切っている。それは大いなる幻想であることにもなる。  バッフェトは投資の神でもなんでもない。彼らは経営者であり、彼らの経営能力の賜物で投資神話を築いているにすぎない。結局は、バフェットが投資している銘柄に対し、投資家はその利点を享受出来るだけである。      

中国とインドの隆盛が引き起こす東西覇権の交代(世界の潮流)

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  (テスラ報道にみる中国政府の底力)  米電気自動車( EV )大手テスラが 5 月 25 日、中国版ツイッター 「微博( Weibo 、ウェイボー)」の公式アカウントで、以下のようなメッセージを発信した。 「データの現地保管を実現するため、我々は中国にデータセンターを設置しており、今後、中国国内のデータセンターを増やしていく計画だ。テスラが中国本土で販売した車両のデータは、全て中国国内で保管される」「 これは単純の受け取ればテスラの中国戦略の成功であり、短期的にみれば、テスラ社の売り上げ増につながる。その報道を受けてテスラ株は上昇した。これはテスラ投資家にとっては好ましい話であるだけでなく、一見米国の国益にかなっているように思える。しかし。こういった施策によってテスラは中国という消費地に縛られることになる。それを見計らって、中国政府はデータによって得られるノウハウに対し、テスラに相当厳しい態度で接してくるであろう。テスラの自動運転の改良については、中国政府の意向や判断が絡んでくるかもしれない。さらに、こういったノウハウがテスラの競合他社にわたる可能性も高い。これは中国製メーカーの実力の底上げにつながってくる。イーロンマスクがこの点について、どこまで危惧しているかはわからないが、その場しのぎでの対応なら、テスラは数年後に中国メーカによって大きなダメージを受けるのは間違いない。  しかし、テスラの行動は米国の株式相場の致命的な欠陥の派生にすぎない。時価総額が恐竜化したことに対する悲劇ともいえよう。となるとこれは視点を変えれば GAFAM 、そしては NVIDIA などについても同様のことが言える。これら銘柄は時価総額が巨大になりすぎて、それを維持するために中国市場を無視出来なくなった。そして、中国政府の意のままに操られて、程度差はあるが中国に技術移転を容認せざる得ない状況に追い込まて、しまいには力をつけた中国企業によって足を引っ張られていく。 (米中対立の限界)  米中対立に対して私たちは米国目線でしか情報をえる事ができない。それは視点を変えれば欧米側のプロパガンダと変わらない。しかし、西側が課する中国制裁のほとんどが中国から見れば穴だらけの何物でもない。実際、中国メーカーが先進国の技術をもったとしても先進国に中国製品が席巻することは難しい。