恒大集団の動向見極め (経済情報との向き合い方)2021.09.26
1.恒大集団ショックを考える 私は、経済ニュースをこまめに追っているわけではないので、月曜日の米国市場の大暴落はまさに青天霹靂でした。朝起きて何がおきたのかとニュースを見ると、「恒大集団のデフォルト危機、リーマン・ショックの再来か?」旨の記事にぶつかり、さらに映像では債権者が恒大集団の本社ビルの前で金融商品の返金を求めて抗議をしている様子が報道されていました。 私は、これを受けて火曜日の中国市場をウオッチしていました。しかし、上海市場で混乱が起きていないことを受けて、この騒動に一定の解を得ました。 中国では恒大集団の件が大きな問題になっていない。 となるとこの暴落は外国人投資家によるシステマティックな変動に過ぎない。 というものです。 2.今後の恒大集団の動向 これは私の私見ですが、恒大集団の動向については、今回のような多少の波乱も含め、中国政府の想定の範囲内で処理を進めていくものと思っております。 そして、中国政府は、恒大集団の債務について、その後の影響を踏まえながら切り捨てる債権者と守るべき債権者を区別していくことでしょう。 実際、米国を筆頭とした西欧諸国と調整を取って、ある程度のシナリオは出来ていると思われ、FOMCの声明も、「恒大集団危機については、中国国内の問題である」との認識に至っています。 3.今後の中国の不動産政策 私は、今後の中国の不動産政策に注目しています。中国のバブル崩壊論は10年以上前から何度も出没しています。幽霊マンションやゴーストタウンの話もしかり。しかし、中国経済はそんなことをものともせず成長しています。 中国政府は、日本の不動産バブル崩壊を含め不動産価格と経済の関係については相当研究しています。 そうなると、中国は不動産価格が暴騰しないように政策面で規制をかけながら、恒大集団のように暴走した企業を長期にかけて整理していく。そんなシナリオが浮かび上がってきます。 中国は不動産価格の上昇に伴う経済成長と庶民が購入できるよう不動産価格抑制の相異なる政策をバランスよく運営していく事を狙っているのではないでしょうか? ただ、この危機が恒大集団だけに留まるのかは注視しなくてはいけません。恒大集団の件が氷山の一角なら、これは別問題です。 それは日本のバブル崩壊後の莫大な不良債権処理とも重なりあってきますので。 4.世界の相場を巻き込むよ