日経平均は自民党総裁選を睨む動き(経済情報との向き合い方)
1.自民党総裁選
菅総理が自分党総裁選に出馬しないと宣言しました。これを受けて9月3日(金)の株式相場は大幅に上昇しました。
でも菅総理は、アベノミクスを継承しており、経済面での失態はしていません。確かに、コロナ対応はちょっと雑であったような気もしなくもないですが。総理交代のニュースでなぜ株式市場が大幅高したのかは不明です。
次の総理が誰になるかは、私にとっては重要です。その後の投資方針にも大きく影響してきますので。
2. 次の総理と経済政策
私は投資家視点で、次の総理が、経済政策でどこまで踏み切れるのかについて考えてみました。
2-1.アベノミクスの継承
アベノミクス路線の継承是非は一つの焦点になります。とはいっても、アベノミクスもスタートから10年近く経過し、勤続疲労も起しています。このため、アベノミクスの継承如何に関わらず、潮目は変わる可能性もあるので、その辺を十分に考慮しておきたいものです。
2-2.日本型デフレの対峙
今の日本では、デフレが20年以上に渡って続いており、その解消に苦労しております。そもそも、デフレは消費者の意識が後ろ向きになっていることの表れです。本当の意味でデフレを解消するのなら、米国などのように勝ち組をたくさん増やして、そういった人たちに贅沢品をいっぱい買わせれば良いのです。
今の日本は、いい悪い関係なく平等社会ですので、年収に関係なくみんなが不安になり、高いものを買わなくなっています。年収1000万だろうが、年収2000万だろうが100円ショップやディスカウントショップなどの低価格の製品を喜んで買っています。今の日本では高額商品の売上は中国などの訪日客がその役割を担っているのです。
しかし、日本もある程度の格差を容認する社会になれば、一定レベル以上の富裕層は、100円ショップ等の低価格商品の購入を恥ずかしく思うようになり、贅沢品とはいわないまでも、ブランド力のある商品の購入が促進され、統計上のデフレは薄まります。
しかし、今の日本社会ではそんな不平等が許されるわけがありません。なので、デフレは社会構造上の問題ともいえます。
2-3.世代間格差の深刻さ
今の日本では、高度成長期やバブルの恩恵を享受した高齢者層と享受出来なかった若年層との間で世代間格差が生じております。
世代間格差の例として、高齢者年金は平均23万円と言われています。世間はそれを少ないと言っています。しかし、23万円の年金を、現役世代の年収と重ねあわせるとどうなるでしょう。額面収入の30%程度を税金と社会保障費等の控除額として仮定すると、額面33万円の給与収入が妥当となります。つまり年収約400万円と算出されてしまいます。
若年層のどれだけの割合が400万円以上の額面年収を得ているのでしょうか?
派遣社員には到底届かない額です。これにボーナスなどを足すと年収500万円となり、日本の平均的な勤労者の一か月分の給料となってしまいます。
しかし、マスコミは、そんな年金受給額に対して、高齢者の年金は少ないという論調を流布しています 経済を活性化するために、お金を優先的に配分しなくていけないのは、お金を一番使いたい層。つまり若年層の労働者階級です。
2-4. 結局はゆでガエルのまま?
次期総理が誰になろうとも、高齢者優遇を変更できません。なぜなら投票に関わるからです。大胆な政策を打って出た場合、自民党はマスコミと高齢者の反感を買って、野党に下野する可能性すらあります。
出来るとしたら超金融緩和の維持くらいでしょう。
結局、本当にやらなければいけない政策は様々なしがらみによって後回しにさせられ、日本経済は先送りのゆでガエル状態を容易に脱出することができないようです。
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