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富裕層(億以上の資産)になってかつ意識系を低くできればこの世界は桃源郷に代わる。

  〇生活水準とストレスの逆相関  私たちの生活は年を追うごとに便利になって、結果として10年前、20年前より生活の水準が上昇している。しかし、その一方で日常生活の満足度は年を追って低下する逆比例を起こしている。この原因はビジネス競争の激化で自分たちの生活への不安感が増大しているとも言われるがそれは現代に限ったことではない。それより私たちは戦後の高度成長期から社会から提供される情報量が膨大になり、国民全体で社会的な相対的な地位や他人との優劣を強いられる競争社会という強迫観念にかられている。だから、結婚でさえ、他人から少しでも羨ましがられるような伴侶を見つけることに血眼になり、結果として自分自身を追い込んでしまっている。 〇現代社会が結婚や子育てを阻害している ついこの前までは、自分がどんな境遇であろうが多くの人は結婚し子供を育てていた。昭和初期の大恐慌では自分の娘でさえ身売りに出す家庭が少なくなかったが若者が結婚をためらったり少子化になったりということはなかった。一昔前までは、よほどの階級でなければ子供は産んでもその後の人生は子ども任せだったし、身売りされたとしても、今のように親を怨む子供はほとんどいなかった。というより、社会的な階級が強固で自分自身の人生に疑問を抱く事すら出来なかった。 ところが、行動成長期を通して、日本国民全体に平等感が得られるようになり。すべては自分自身の努力次第で社会的地位と金銭を獲得できるようになり、ほとんどの国民が結婚は仕事を通して安定的な中流生活を送れるようになってからするものだという高尚な価値観を共有するようになってしまった。いったん産んだら、子供に適切な教育や家庭環境を与え、大学までの学費を面倒見なくてはいけない。それが出来なければ親ガチャ。毒親。というように子供も親に対する要求が限りなく高くなってしまった。 〇理想的な社会の実現 もっとも理想的なのは、ガソリンスタンドやコンビニのアルバイト程度でもしっかりと子育てが出来るなどローワーな中流が実現できる社会だ。それは米国の50年代グラフティの情景に通じるものがある。そういった社会なら、人々は安心して暮らせるだけでなく、子供への過剰な教育も必要なくなる。意識系の高さへの傾斜も一部の人たちに限られる。これを実現するのは難しいが、こういった生活の根底にある生きる事への意識を低さ、気楽に生き

EV車業界のモータもいずれニデックがシェアを握ることになる

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   私の銘柄調査の一つとして経営者のインタビュー記事の探索がある。経営者の言葉の中には、経営に対する手腕とポリシーが散りばめられており、これと決算推移を重ね合わせたら会社の実像がはっきりと映し出されてくる。そして、今後の業績推移さえ推測できるようになる。 ニデック永守会長は 1973 年に日本電産を創業し売上高1兆円を超える大企業に育てた優れた創業経営者の一人である。ここでは日経BPのインタビュー記事から、永守会長が考える EV 自動車産業の企業戦略を抜き出し、ニデック株式会社の今後について考えてみることにした。 〇 EV 時代の到来 自動車産業は 100 年に 1 度の技術革新に直面している。もう EV 車の時代が来るということは、はっきりしている。今、米テスラが先を走っているが、従来の完成車メーカーと何が違うかと言うと、化石燃料の車を造ったことがない。完成車メーカーはまだエンジン車で稼いで EV 車で利益があるところはない。全部赤字。要するにテスラはエンジンというレガシーがないので身が軽い。さらに小型車は儲からないから高級車ばかりに力を入れて利益を稼いでいる。しかし、テスラのような高級車路線ではいずれ限界にぶち当たるだろう。 EV 車が隆盛を極める頃には、安い車を造るメーカーが台頭してくると踏んでいる。 〇 EV 車産業の今後 今までいろいろな事業分野で部品を販売してきたが、サプライヤーも競争相手も、お客さんも全部大赤字なんていう業界はなかった。 EV 車業界はそれでも値段を下げ続けて、中国では 300 社ぐらいが参入し 200 社ぐらいが潰れている。製造コストと販売コストが全く釣り合っておらず健全な競争にはなっていない。とはいえ、基本的には値段を安くすることが今後の EV 車普及のカギとなる。実際、電池の値段は年々下がっている。初期の携帯電話は肩からかけて電池が大きかったが、現在では技術革新によってこれほど小さくなった。すぐにとはいかないが、全固体電池とか新しい技術が出ているので電池は進化していく。またモーター効率もどんどん向上することで電池の使用量を少なくさせる。製造コストが大幅に下がったら、モーターなどの部品を買ってきて誰でもすぐに EV 車を造れる時代がやってくる。 〇ガソリン車の今後 プラグインハイブリッド( PHV )の需要

日本に漂う閉塞感の正体

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  これは私自身の勝手な思い込みなのかもしれないが、日本中に言いようのない閉塞感が漂っているような気がしてならない。それは年を追うごとに強くなっているようでもある。  人は無意識に以心伝心で相手の心と通信しているものだ。そのため、言葉を交わさなくても周りの人たちの不安な気持ちは空気感として伝わってくるものだ。 1. 経済は先進国 労働環境は後進国以下 コロナ禍によって、世界中でテレワークが拡がり在宅ワークが一般的になり始めたが、最近の通勤ラッシュ状況を見ている限り日本人の勤勉さは筋金入りであることを改めて感じさせられる。とかく日本では、「周辺の空気を読む」こと、「同調圧力に従う」ことを美徳とする人が少なくない。その弊害からか有給休暇ですら人事評価に悪影響を与えるのではと心配し消化すらためらってしまう。これでは、日本におけるワークライフバランスは、絵に描いた餅だ。そもそも、この国の朝の通勤ラッシュの醜さは、この国がかつては世界一の経済大国になりかけた国民の姿なのかを疑いたくなる。帰りの電車でも、神奈川、埼玉、千葉の郊外に向かう電車に乗るサラリーマンの哀愁漂う姿。特に、夜8時から10時に乗る列車内の雰囲気に顕著に表れる。夜も遅いのに電車は込み合っている。そこには、仕事疲れというよりは35年ローンや子供教育費の重圧に耐えながら、仕事にしがみ付こうとするサラリーマンの切ない哀愁が充満している。

21世紀中盤のテンバガー産業を占う

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  21世紀中盤に成長が見込める産業は、脱炭素、AI・ロボット、電子マネー、そして医療の4分野が想定される。脱炭素を除くそれぞれの産業について今後の動向について考えてみた。 1.AI・ロボット ①AI関連  AI関連は幅広い産業分野への波及が期待され、GAFAMが引率しながらバブルを起こすことが予想される。というより、今時点でもバブルがスタートしているといっても良い。そして次のステップとして、ビジネス分野でどのように展開されるかであり、具体的には、AIによって第三の社員が誕生する事でのホワイトカラーの仕事の代替。例として、各種資料作成や様々なデータ分析、企画書の作成。AIによる管理職(社員査定や業務指示)、AIが担う総務・会計などのバックオフィス部門、AIが担うお客様相談室(コールセンター)、AIが担う経営戦略室など、様々な職種でAIが活躍するようになる。これら基礎技術はGAFAMを中心にスタートしていくが、IT情報ソリューション事業会社のSEが事業会社ごとに開発するアプリケーションに組み込むようになればIBM、NTTデータ通信などがその恩恵に預かることになる。 ②ロボット関連  中国の一人当たりのGDPが1万ドルを超えた現在、中国に代わる製造拠点は、インド、インドネシアなど残り少なくなった。さらに、長期的な視点で見れば出生率の低下が世界中で顕著になり、安いコストで品質の良い製品を作る人材が不足する傾向にある。ロボットは、これを代替する役割を担っており、そういった意味では、産業用ロボットは間違いないなくこれからの製造業に欠かせないものになる。さらにこれら技術と連携するようにネットワーク業界において6G、76Gなとの通信技術の普及が促進されてくるであろう。  次のステップとして日常生活で活躍するロボットも視野に入ってくる。これらは、それぞれのロボット(ハードウエア)にロボット用独自AIを搭載することになるが、それをどれだけ安価な価格で市場に提供できるかがカギになる。このAI技術の覇権を握りそうなのは、現時点ではGAFAM、テスラである。当局の規制はなければ、これら企業が有力なロボット技術を保有する企業を買収し。独占的なシェアを確保する可能性が高い。しかし、当局が規制をすれば、GAFAMはその事業部を切り離してロボット産業を独自に発展させるであろう。また、その間に新しい

ファイザー 株価低迷からの脱却は期待できるのか?

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 1.ファイザーの低迷  ファイザーは、コロナ禍で最も活躍した企業である。コロナワクチンのおかげで売上高は2倍以上に膨れ上がるなど空前の享受を被ることになった。普通なら株価はこの流れに沿って爆騰するものだが、コロナ禍前の30ドル台半ばから60ドル弱まで上昇したに過ぎず、さらに配当も1セント増配に抑えるなど株主にとっては満足いく結果ではなかった。これの示すところは、投資家はファイザーのコロナ禍以降の業績に対しそれほど期待をしていない。実際、コロナ禍が沈静化した23年秋には、株価が30ドル近辺までに低迷する始末である。 2.ファイザーCEO:アルバート・ブーラによる事業構造改革  コロナ禍前のファイザーは、主要な医薬品の多くが特許切れを迎えていた。このため有力なパイプライン発掘が責務となっていたが、思うようにことは進んでいなかった。それに呼応するかのように企業の売上高は横ばいを推移し、特許切れに伴う利益率の低下から配当性向が100%近くにまで上昇し、投資家からは減配すら懸念されていた。そういった状況下で就任したアルバート・ブーラは、利益の見込めない大衆薬をグラクソ・クライン。そして特許切れの医薬事業部をマイランと統合させた。こういった事業分離により、ファイザーは革新的な新薬開発・販売に会社の資源(リソース)を集中させていった。しかし、この政策は、主力製品がおぼつかない中でいたずらに売上高を減らしてしまうだけだと判断され、株主からは賛同を得られなかった。さらにダウ30リストからも外されてしまい、製薬メーカーとしては後塵を拝するかに見えたが、そこに神風が吹くことになる。それがコロナ禍だ。 3.決算及び財務内容の推移  ファイザーは、convid-19の予防ワクチンをいち早く提供することによって、2021年~2022年にわたり莫大な売上と利益を計上する。それによって得られた莫大な資金を株主還元に振り向けずに、アルバート・ブーラの目標とする革新的な新薬販売の源である新パイプラインの拡充に充てた。実際、米グローバル・ブラッド社を54億ドル、英バイオヘイブン社を116億ドル、米アリーナ社を67億ドルと矢継ぎ早に買収し、極めつけは、がん治療薬のシージェンを430億ドルで買収する方向で動いている。さらに自前開発パイプラインのいくつかが芽を出し始めた。これにより、ファイザーはコロナワクチ

アメリカは世界経済におけるブラックホール

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 〇世界経済のからくり  世界経済は、米国、広義でいえば欧米に都合の良いように誘導されている。欧米諸国は、自国の経済に貢献できるように時代のトレンドを誘導している。新興諸国の著しい発展も、実は欧米諸国の手のひらで展開されているに過ぎず、欧米諸国が低迷している時の調整弁にすぎない。何故なら新興国で製造される主力製品の消費者は欧米諸国であり、欧米人がより自分たちの生活を快適にするために提供されているに過ぎないからだ。そして、これら新興国が欧米に対抗するまでに発展していけないように産業構造を設計しているというオチさえついている。 さらに、西欧諸国は通貨レベルを高く設定することで国富は維持され、新興諸国がどんなに発展しても容易に近づけないようにしている。このため、西欧諸国が深刻な不況で国民の生活が困窮しても、これら西欧諸国の低所得層は新興諸国の中流層以上の富を保有していることになる。それが発展途上国から見た西欧人が自分たちよりワンランク以上も上の国家であるというプロパガンダイメージを描いてしまう礎になっている。 〇アップル製品などに見る欧米経済の実態 まさにこの構図の代表的な例がアップルだ。彼らの製品は中国などで安く製造した後にアップルのブランドをスタンプして世界中で高く売りさばいている。欧米諸国はこのようにブランドを牛耳って破格の利益を吸い取っている。しかし、発展途上国がその反対の構図を作るのは構造上難しいと言わざるを得ない。例として、インドにアップルのようなハイブランドの会社が誕生することができるのか。それは不可能だ。人々が洗練されたセンスのある製品やブランドを構築するためには、欧米諸国で長期間にわたって技術力の習得や商品センスを磨く修行をする必要があるからだ。そういったスキルを自国に持ち込んで欧米を凌駕する製品を販売しても、欧米諸国はルール変更というべき、次のトレンドに移行させることで。既存のブランドを陳腐化させる。そして、新しいトレンド技術を他国ライバル企業に対しシャットアウトすることで、次のトレンドの優先的な立場を独占することになる。 〇アメリカンドリームという魔法  そういった欧米主体の経済構造を後押しするのがアメリカンドリームである。米国政府は、才能が有りながらも自国で活躍できない人に一角千金と名声というアメリカンドリームを提供し、彼らに活躍の場を与え続けてい

株式市場の時価総額から見える今後の米国相場の動向

初版  2022.03.05  改版   2022.12.21 (旧名:時価総額飽和状態に陥っている世界中の株式市場) 〇時価総額とGDPの国別ランキング ここで世界銀行が発表した国別の時価総額 (2021 年)を参照すると 1.米国   40 兆ドル 2.中国  12 兆ドル 3.日本   6.7 兆ドル 4.香港     6.1 兆ドル  5.カナダ    2.6 兆ドル 6.インド    2.5 兆ドル 一方、 GDP の世界ランキング (2022 年)は、 1.米国   25 兆ドル 2.中国  19 兆ドル 3.日本  4.9 兆ドル 4.ドイツ   4.3 兆ドル  5.インド   3.5 兆ドル 6.イギリス   3.4 兆ドル となっている。 ・米国株式市場の時価総額の GDP 比は、 2012 年 100% 、 2019 年 150% 。そして 2021 年 200% 近辺で推移している。ここ 30 年程度は、巨大多国籍 IT 企業(マイクロソフト、インテル、 GAFA 等)が引率して 100% 超えを常態化させているが、今後 10 年間に米国の株式市場の時価総額が2倍になれば単純計算で 80 兆ドル。 1.5 倍でも 60 兆ドルに膨れ上がる。しかし、 GDP が株の時価総額上昇に追いつくために年率 5% 成長を維持するとは到底考えられない。これ以上の時価総額膨張は GDP との乖離を大きくするだけである。そもそも株式市場の時価総額は GDP 比で 100% を超えると危険水域と見なされてきた。それでも、様々な要素から 200% の水準を肯定できたとしても 300% 近くまで乖離するのは現実的な値ではない。逆に、今後は膨れすぎた時価総額という風船に対して実経済への乖離を縮小する方向に向かうと考えるほうがが妥当であろう。 ・成長著しい中国も時価総額という点では、上海や香港(ハンセン)指数を合算すれば 100% 近辺に到達しており、中国経済の発展を株式市場は相当において織り込んでいる。実経済においても、 21 世紀前半に世界経済を支えてきた中国経済に偏重が出てきた。中国経済の国富は世界の工場で築かれたものではなく、驚くほどに上昇した不動産価格が運んだ富によるもの。その不動産市場も、恒大グループに代表されるように曲がり角を迎えている。共産党政府は、日