投稿

4月, 2025の投稿を表示しています

ビルゲイツの珠玉の名言から学ぶこと

イメージ
 (初版 2021/06/17) 1.名言に万人向けはない  ビルゲイツといえば、マイクロソフトの創業者として、世界有数のソフトウエア会社に導き上げた世界有数の経営者であり、世界有数の資産家でもあります。  しかし、彼のこういった成功は彼の天賦の才能だけによるものではありません。ここまでに至るには彼のけたたましい努力と苦闘の連続がありました。ビルゲイツは世の中の理不尽さを示唆するように、「人生は公平ではない。そのことに慣れよう」という名言を放っております。 これは高校生のスピーチの一節であり、人生における様々な理不尽に自分の意思で打ち勝っていけと説いています。 2.名言のそれぞれ  ビルゲイツの名言と言われるものとして以下があります。 〇「毎日毎日「勝ちたい」という気持ちで出社しなければならない。切羽詰まったときにこそ、最高の能力を発揮できる」 「一心不乱に働くこと、ベストを尽くすことが嫌だというなら、ここは君のいるべき職場ではない」 これは、マイクロソフトという事業を成功させるためにはこれだけのパワーは必要という裏返しです。 〇「しばしば、直観が頼みの綱になる。」 コンピュータを大家であるビルゲイツでもそう思うことがあるのですか。テレパシーとか以心伝心などは、ビルゲイツでさえ信じている。でも、ビルゲイツ以外の成功者も同じように、努力や戦略の上に直感があるという事を述べていることが結構あります。 〇「人生は、誰も助けてくれない」  自分の人生は自分で切り開きなさいといいたいのでしょうが、うがった見方をすれば、ビルさんも孤独なのかもしれません。結構寂しい人なのかもしれません。 4. ビルゲイツが事業の成功について話す珠玉の名言 「成功するまでやるのだから、失敗などありえない」( 失敗や負けは短期的な結果にすぎないということ。それが本当の意味で確定するのは本人が諦めたときだけである。あきらめずに前に進んで、その後に成功を勝ち取れば、これら短期的な敗北や失敗はすべてその後の成功の向けたプロセスに過ぎなくなる。}  正直、この前向きな思考こそ成功者に求められる事だろう。成功の過程で他人から見たら想像を絶する苦しみ、他人からの罵倒、そして信じている者の裏切りなど、、まともに考えたら自分自身がぶっ壊れてしまうほどのつらい経験をものともしない精神力。そして常にある前進する...

情報社会の代償 隣の芝生という厄介な存在 

イメージ
  初版 2023.3.11 (旧名:隣の芝生に振り回されない生き方こそ最良の生き方) 1.隣の芝生は人間の本能 人はなぜか、隣の芝生が青く見えるようである。どうもこれは人間の本能のようである。人は常にどこかで桃源郷があると信じて疑わない。だから他人に対して勝手というべき様々な妄想を抱いて喜怒哀楽を繰り返している。ドラマや週刊誌、映画,そしてインフルエンサーが煽り立てるような装飾され、誇張されたカッコ良い生活をしている人が常にどこかにいると信じて疑わず、そういった人たちへの憧れや羨望を抱こうとするように出来ている。        2.隣の芝生の幻想例  ①政治家  政治家は社会的には上流階級に位置する職業で、まさに隣の芝生である。しかし、そんな隣の芝生も今となっては、はっきりいえば苦労の割には見返りが少ない。一昔前なら、貴族の位を得られ、豪邸に住み様々な利権から得る膨大な富を得ることができたが、今では億ションにすら住めない、逆に豪華な生活をしていると賄賂を疑われお縄!となってしまう。仕事面では、4方から様々な意見を集約し意見調整を図りながら一つの指針を作り上げるという相当な労力と精神的な負荷を強いている。もはや、政治家という職業が好きでないとやってられない。 ②旧来型のエリート 大企業社員、医者、官僚、外資系金融や大手弁護士事務所の幹部等などのエリート職業もアッパーミドルの代表的な職業で庶民とは一線を画している。一昔前まではエリートとして大企業に入れば、それなりに出世し、それなりの報酬も得て、さらには子会社で役員級の役職に就いて会社人生の余生をおくる。まさにアッパーミドルの典型例のような人生であるが、今はこのような天下りが出来なく、給与面でも、天下りが減った分、人生後半の高給生活が遮断され、年を追って旨味が享受できなくなった。 ③セレブと言われる成功者  セレブと言われる超高所得者(芸能人やスポーツ選手、ベンチャー企業の創業者)なども隣の芝生の典型例である。これら人たちの共通点は実力主義の環境下で自分の力量を頼りに成功者と言われる地位まで上り詰めた事である。私たちは、雑誌やテレビで芸能人やスポーツ選手、事業の成功者などのセレブ生活や豪邸報道に対し羨望のまなざしを抱いてしまう。しかし、そこには成功者ならではの魑魅魍魎とし...

富裕層分析  サイレント富裕層の増殖

イメージ
  1.資産格差の度合  日本は格差社会に入って久しいと言われるが、世界的に見れば平等社会である。今世界では、上位1%の資産総額が全体の4割弱を占めている。逆に下位50%の資産は全体の2%と言われている。これは貧富の差が激しい発展途上国を含めての数値だが、先進国だけに絞ったOECD資料では、上位1%の国内の富に占める比率は、 米国42%、ドイツ24%、英国20%、フランス19%、日本11% 上位10%の比率は、 米国79%、ドイツ52%、英国52%、フランス51%、日本41%  となる。  この数字を見る限り、米国の資産格差が際立っている。それは、4月の米国相場の暴落時にベンセント財務官が言った言葉に表れている。「米国民の上位数%が米国株式を88%保有し、残りの50%までが12%を保有している。下位50%は負債だけしか保有していない。このため、株価が下がっても一般庶民への財布に影響しない。」まさに、米国の格差社会を象徴する発言であり、 国の分断化についてもあながち誇張したものでもない。とは言え、米国の場合、下位50%でも他国から見ると十分に良い生活をしているというオチはつくので、その辺は相殺して考えていくべきではあるが。。。。。 2. 社会的勝組=富裕層という誤解  マスコミは一般的な富裕層像をビジネスエリートに焦点を当てることが多い。挙句には大企業社員や公務員を上級国民としてこき下ろしている記事もある。この構図の原型は、受験戦争の勝者→一流大学⇒一流企業→幹部社員→上級国民であり、庶民を犠牲にわが世の春を謳歌しているプロパガンダ像である。こういったプロパガンダの変遷は、ドラマや小説などで垣間見ることができる。  昭和初期までの富裕層像は華族等の有閑階級を題材にした優雅な生活の描写であった。戦後は、財閥解体や華族制度の廃止などもあり、超一流企業幹部や官僚、医者などのエリートを題材にアッパーミドル層を描写していた。特に、医師は高所得者ランキングの常連であり、それが大学受験にまで波及し、偏差値では医学部がダントツの難易度を誇っている。人々は医学部入学を上級国民入りの登竜門と信じているからだ。  そして、最近は外資系金融やコンサルティング、そしてベンチャー企業のIPO創業者などが浮上してきた。  これらに共通するのは「高学歴=社会的勝組=富裕層」というステレオタイ...

今後20年後を見据えた大学(辛口)戦略 その2

イメージ
 (都心一極集中が学生にもたらしたもの)  東京一極集中が1世紀に渡って続いている。これは地方の秀才を東京に呼び寄せて定住させる政策を100年に渡って行ってきたことにほかならない。それら人々の子供は都心の中高等学校に通い、都心の大学に通い、都心の企業に就職する。このサイクルを雪だるまのように100年近く続けてきた。優秀な子供は年を追って都心に集中することになり、これは大学偏差値の長期推移にも表れている。戦前、戦後に渡って名門かつ高偏差値であった地方大学の中には、過疎化とともに没落し、過去の栄光を忘れ去られている。 (都心に立地する大学の高偏差値化)  これは長年における偏差値分布の推移を見れば一目瞭然である。都心への一極集中の最大の恩恵を被った大学は早慶、そして次に続くのがたいした格を有していない中堅国公立(千葉大学や東京都立大学など)、そしてMARCHクラスの有名私立大学であろう。早慶などは高度成長期前までの中堅クラスの難易度から東大や一橋をあと一歩に迫るくらいに偏差値が上昇した。早慶おこぼれの受け皿になるMARCHも驚異的に上昇した。戦後において地方の金持ちが通うFランとも見間違える程度の大学のはずが、時が経つにつれ地方国立を追い越し、難関国立一歩手前の位置までの地位を確立した。千葉大や東京都立なども同じように、単に都心に大学を構えているから地方旧帝大と拮抗する偏差値を有している。 (「旧帝大」の横綱級の格式) 地方の過疎化により、地方国立大学の地盤地下は目に余るものがある。しかし、旧帝国大学はその影響を受けにくい。地方旧帝大は、東北なら東北6県の盟主(東大)であり、それは九州地方の九州大学、中部地方の名古屋大学においても同様である。これら大学の偏差値は旧帝大という冠に守られて難関大学の一角を維持し続けている。首都圏の国立である横浜国立大学、千葉大学などは偏差値では地方旧帝大と同ランクであるが、首都圏の進学校では、東京科学大学に届かなく、これら国立大学を合格できそうな学生に対しては地方旧帝大を進めるケースもある。格式という点では「旧帝大ブランド」はエバーグリーンであり、この先の少子化が深刻化しても、首都圏一極集中がこれ以上に進んでもMARCHクラスや都心部の中堅国公立が格式において地方旧帝大を切り崩すことは難しい。「 (社会人から見た大学序列)  高校卒...

2040年頃に迎えるであろう日本における二極化社会

(日本経済黄金期(1985-2005年)が二極化の認識を歪ませる。)  最近感じてきたこと。それは現40代~70代前半が歴史上稀に見る日本の黄金期を体現した世代ということだ。海外旅行を例にとれば、最も安価で豪華なツアーを体験できたのはこの世代だ。実際、日本での生活に余裕はなくても、10万円あれば東南アジアで比較的裕福な旅行を満喫できた。西欧旅行も20万円あればそれなりに楽しめた。こういった比較的裕福な海外旅行もコロナ以降のインフレ・円安により困難になった。さらに深刻なのは若い世代が海外旅行に行かなくなったことである。これは興味がないという事ではなくお金がない若者にとっては海外旅行が贅沢品にグレードアップしたからにほかならない。  Louis Vuittonなどの高級品も1985-2005年まではお金を持っていない層まで購入できた。海外の高級品が簡単に手に入るほど日本円は海外通貨に対して強含んでいた。車においても、新卒の新入社員が彼女とのデート等を目的にプリウス並みの高級車を躊躇なくローンで購入し、長時間労働による多額の残業代で返済をしていた。さらにデフレが進行し、あらゆる商品が安く購入できた。この時期はバブル崩壊という経済的な負の側面による社会的な不安が蔓延し「失われxx年」と呼ばれる暗黒時代で表現されるが、安定的な収入を得られている層は、相当裕福な生活を享受できた。歴史的に見れば日本経済力の黄金期であったのは間違いなく、この認識ギャップこそが、日本における格差問題の本質を歪ませている。 (1憶総中流の幻) 間違いなく、日本は一時的に1億総中流を体現できた。しかし、その裏で日本経済はステルス格差を拡げることになり、2010年代後半から表面化し始めた。このころになると、女性の高学歴化と社会進出が定着し、パワーカップルが登場する。さらにネット経済が台頭し、有能な人たちは起業や投資で一定の財産を獲得できるようになった。これら層が新たなる消費を誘発し、タワマンなどの億近い案件すら購入している。今の日本は高度成長期のように真面目に生きていれば報われるのではなく、才能のある人たちが恩恵を被る社会に変貌した。 もう一つは世代間の格差である。団塊世代と現在の若者では同じ能力(スペック)でも、人生における恩恵の享受具合が全く異なってしまった。団塊世代は、難なく大企業や優良企業に入社し...

インデックス投資の黄昏も近い?(「FANG+信託の低迷」日経記事)

 日経に面白い投信記事がアップされていたので、それについての感想を書いてみた。 (FANG+保有継続は是か 類似投信へ乗り換えも選択肢) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB26BVR0W5A320C2000000/ 投信商品「FANG+」はなんと、米国大型テック株たった10銘柄で運用する投信らしい。この投信は、構成銘柄をここ10年近くに渡って米国の上昇相場を牽引してきた銘柄群に絞ることで、投資家により直接的な恩恵を被れるようにした商品である。   (GAFAMの怪物的な企業経営力)   GAFAM、そして広義にはマグ二セントセブンは長期にわたって成長の限界を裏切り続け、「現在においても投資家に対して更なる夢や期待を与え続けている。」。一生懸命に投資を勉強し続けている投資家に対しては、まさに過去の経験則を裏切り続けていることになる。あのウオーレン・バフェットも過去の経験則に当てはまらないIT革命の本質について、優良テックを中心に研究し続け、IBM、ORACLE等に投資する等の試行錯誤をしてきたが、事業という側面から見たGAFAM銘柄の歴史的革命性、そして時代の変化を見抜いて最終的にはアップルに巨額投資することでこの巨大な果実をもぎ取った。  このため、今の米国相場は、マグニセントセブンと周辺の超一流優良企業にさえ投資すれば何も考えなくても相当な利益を得られる仕組みが出来上がり、これがなんと10年近く続いている。まさにこれら銘柄の絶頂期に違いない。これの言わんとすることはS&P500などの堅調な上昇とは裏腹に、投資対象としての分析に値する銘柄は1割未満いやその半分にも満たないということである。今の米国では、それくらい利益創出力が一部の企業に集中しすぎてしまった。 (歴史的な割高感?) 記事では、「こういった投信の構成銘柄は今、非常に割高でリスク大」と指摘。とあるが、テック株は大抵において将来性が期待されるので概ね割高で推移する。その割高の評価範囲は今後の成長性に依存し、成長性が高ければPER100でも容認されることになる。成長性が鈍化すれば投資家は収益力から株価を測ろうとし、大抵の場合、PER10~20のレンジまで株価が調整することになる。こういった記事については、企業がどのような成長を辿っていけるのかの両刃の...