インフレ常態化が導く生活への影響
(金融市場の活況が富裕層をより豊かにさせる) 日米欧の家計金融資産(日銀25年8月末資料)の家計の金融資産構成では、 日本:「株式等」12.2%、「投資信託」は6.0%。 米国:「株式等」41.5%、「投資信託」13.1% 欧州:「株式等」25.3%、「投資信託」10.9% と、金融資産の割合は米国>欧州>>日本の順となっている。株式等の保有は上位10%程度の富裕層に集中している事が一般的であり、株式市場の活況に対する国への恩恵も、米国>欧州>>日本となる。そして投資好きな中国系や韓国系なども加えると、ここ10年の株高における資産効果という点で、日本は相当な遅れを取った事が示唆される。 (富裕層が誘導するインフレ下の消費社会) 世界中で深刻な物価高と不況を煽るニュース記事が溢れる中で、世界の金融市場は衰えをしらない。そういった中、日経の記事に「上位1割が支える米消費、高関税でも減速せず 8月小売売上高0.6%増 (https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN16B4C0W5A910C2000000/)」という記事があった。 その記事には、「5月に価格を10%引き上げたが、4〜6月期は12%の販売増になった。ボリュームゾーンより高額品のほうが売れ行きが良い(エルメス幹部)」、クレジットカードなどの決済データでも、高所得層の支出額は順調に伸びている一方、低所得層の伸びは弱含み。この原因として、高所得層は株高による金融資産増加で家計に余裕が出る一方、低所得層や若年層は労働環境の悪化の直撃を受けている。これは、日本だけでなく、世界中で起きていることだが、二極化された社会での個人消費の動向は国民全体で諮るのではなく、富裕層の動向で決まり、その資金は株価市場などの金融相場からの含み益に依存している。つまり、ニュースで論争している世界とマーケットの世界は別次元になっているのだ。 (日本におけるインフレ経済の影響) こうした背景を踏まえ、2050年までにインフレ基調が堅調に推移した場合の物価動向を、以下の表にまとめた。 その他、パン屋(ベーカリー)のフランスパンは350円、クロワッサンは280円 スーパーでは、食パンが1斤480円、納豆が3パックで280円、牛丼はテイクアウトで980円。外食はランチでも1,800円以上が当たり前に...