ビルゲイツの名言からマイクロソフトを読み解く(個別銘柄:米国株)

 

1.名言に万人向けはない

 ビルゲイツといえば、マイクロソフトの創業者として、世界有数のソフトウエア会社に導き上げた世界有数の経営者であり、世界有数の資産家でもあります。

 しかし、彼のこういった成功は彼の天賦の才能だけによるものではありません。ここまでに至るには彼のけたたましい努力と苦闘の連続があったからなのですが、ビルゲイツは世の中の理不尽さを示唆するように、「人生は公平ではない。そのことに慣れよう」という名言を放っております。

これは高校生のスピーチの一節であり、人生における様々な理不尽に自分の意思で打ち勝っていけと説いていますが、その中において才能に関する理不尽さも忘れてはなりません。

 例えば、野球選手のイチローが一流選手になるまで、そして一流になってからもどれほど苦しい練習と自分自身との戦いを積み重ねてきたのか、それらを聞かされるとまさに天才は99%の努力と1%の才能で成り立っていると言わんばかりです。そうはいっても、あなたがイチローと同程度の練習や自分自身と格闘したからと言って、イチローのように一流になれるわけではありません。

 99%の努力とは、天性の才能を伸ばすための努力であります。つまり、どんな素晴らしい教訓や名言であっても、そもそも天性の才能のない人にとっては猫に小判の域を超えないという現実を冷静に見つめなければいけません。自分自身を顧みないでする努力は何も実りも得られないのです。


2.名言のそれぞれ

 ビルゲイツの名言と言われるものとして以下があります。

「毎日毎日「勝ちたい」という気持ちで出社しなければならない。切羽詰まったときにこそ、最高の能力を発揮できる」

「一心不乱に働くこと、ベストを尽くすことが嫌だというなら、ここは君のいるべき職場ではない」

これは、マイクロソフトという事業を成功させるためにはこれだけのパワーは必要という裏返しです。

でも、ビルゲイツさんのそういう姿勢に同感できません。私はのんびりと自分が一番幸せだと思う時間に精力を注ぎたいのです。

 ビルゲイツさんもこれだけ戦闘的な生活を長年にわたって続けると、引退してもその生活リズムは崩すことできません。この人にとって、何もしないでボーッとすることはおそらくですが拷問の張り付けと同じ気分なのではないでしょうか。なので、ビルゲイツさんが未だにセカセカ分単位で何かに打ち込んでいるというのは、この辺の名言にある生活習慣も禍をしているのでしょう。

 ビルゲイツさんが、「これだけ長い間、戦闘的な生活を続けてしまったので、一般人のようなダラダラ、のんびりの生活ができなくなってしまいました。私にはこれが幸か不幸かわかりません」とおちゃめな名言も仰ってくれたら文化人類学上での大きな示唆を与えるのでは?


3.名言から見るおちゃめなゲイツ

「難しい仕事があるとき、私は怠け者に任せる。だって怠け者は、仕事を簡単に片づける方法を見つけ出すからね。」

ビルゲイツからみると、頭のいい怠け者しか知らないようですね。さすが、ハーバードであり、世界中の優秀な社員に囲まれているマイクロソフトです。本当は、世の中には私のように頭の悪い怠け者が圧倒的なのですが。。。。そうなると、難しい仕事を怠け者に与えたら、彼等は平気な顔して進捗を遅延し、平気な顔して納期をやぶります。そして、平気な顔して会社としての応援を声高々に唱えます。

日本社会では、頭のいい怠け者は聞いたことがありません。この辺はズブズブの実力社会である米国との違いなのでしょう。

「しばしば、直観が頼みの綱になる。」

コンピュータを大家であるビルゲイツでもそう思うことがあるのですか。テレパシーとか以心伝心などは、ビルゲイツでさえ信じている。でも、ビルゲイツ以外の成功者も同じように、努力や戦略の上に直感があるという事を述べていることが結構あります。

 「人生は、誰も助けてくれない」

 自分の人生は自分で切り開きなさいといいたいのでしょうが、うがった見方をすれば、ビルさんも孤独なのかもしれません。結構寂しい人なのかもしれません。

4.私が感服する名言

ビルゲイツが事業の成功について聞かれた時、「成功するまでやるのだから、失敗などありえない」と答えたとのことです。この逸話を聴いて私が感じたこと。それは、堅苦しいことは書きたくないのですが、「失敗や負けは短期的な結果にすぎないということ。それが本当の意味で確定するのは本人が諦めたときだけである。あきらめずに前に進んで、その後に成功を勝ち取れば、これら短期的な敗北や失敗はすべてその後の成功の向けたプロセスに過ぎなくなる。


 このような言い回しはビルゲイツだけではありません。他の成功者も似たようなことを言っています。そこで、凡人である私たちがこの言葉から学ぶこと、それは「決してあきらめてはいけない」ということでしょうか。でも、ビルゲイツは相当にしつこい人なのかもしれませんが。この人と将棋をしたら自分が勝つまで家に帰してくれないかもしれません。

 でも、成功するためにはこのしつこさが必要条件なのでしょう。ビルゲイツを見習ってしつこく、嫌な奴になるくらいの覚悟で相場と向き合わなくてはいけません。


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