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5月, 2025の投稿を表示しています

21世紀的幸福論(地方生活、3世帯家族)

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日本では。より収入の高い職業についてより良い生活が叶えられるように、馬車馬のように競争社会で闘い続ける人生を多くの人が強いられている。その結果、医師や総合商社マンのような高収入な職業に就いた者が人生の勝ち組として憧れの的になる。一方、大多数の人たちは、十分な収入が得られず、日々お金と格闘し老後不安を抱える人生を強いられている。しかし、そういった現状の価値基準を少し発想を変えれば、違う世界が表れてくる。例えば、両親のリソースを借りられるならそれを最大限に利用すればお金に対する束縛から逃れられる。都会に未練がないなら地方で豊かに暮らす。21世紀にはそんな発想転換も必要なのである 1 地方過疎化の裏側にある豊かさ  少子高齢化による地方過疎化は、産業衰退や街のゴーストタウン化など深刻な問題を生じさせている。しかし、下記は総務省のデータである。これを見る限り、地方都市の世帯当たりの平均収入はそれほど低くない。信憑性の高い統計から読み取れる事として、過疎化は進んでいるものの、物価面などを考慮すればば都会と地方間での収入格差はそれほど著しいものではない。一部の県においては都心より明らかに裕福であるという実態すら浮かび上がってくる。 これの意味する事は、地方では製造業中心に海外移転が進み市街地が衰退している。とはいえ、地元でそれなりの仕事に就いている人たちの生活水準はそれなりに高いということだ。 2 地方の知られざる現実   これら統計値において特筆すべきは富山県であり、都道府県の世帯当たりの所得ランキングで4位という順位を記録している。日本海側の北陸という過疎地にも関わらず、首都圏と同等の所得を得ているのだ。富山県のホームページには、これら理由として富山県は地元を地盤とする中小製造業が多い事。3世帯同居し、嫁、両親(祖父、祖母)も一緒に働くことで世帯収入を膨らましている。地方は都会に比べて不動産や生活費が安い。それなりの収入が得られれば、高い生活水準を得られることも可能だ。 3 地方での生活を逆手に取る  核家族世帯では、これまでは夫が働いて、妻がパートや専業主婦のスタイルで家計は夫の収入の一本足打法のようなものであった。このため、夫の会社へのしがみ付きは相当なものとなる。都会では、一生かけて購入したマンションも2世帯が住むには狭すぎて、子供はゼロベースで人生を歩むことを延々と...

米国株投資の選定戦略

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前回更新日:2024/05/25 1.米国市場の弱肉強食の非情さ ここ40年間、ダウは右肩上がりを続けている。このため、米国株に投資をすれば無条件に儲かりそうなイメージを持たれやすいが、米国株は日本以上に企業業績と株価が連動している。このため、たとえ米国市場が上昇相場でも、企業業績が振るわなければ非情なまでにその銘柄の株価を奈落その底に突き落とす。このように甘えの許さない米国市場では、長期間に渡って インデックスと連携している銘柄など殆どない。 2.銘柄分析 ①ファンダメンタル分析の無意味さ 株価が上昇しやすい銘柄は未来に輝くような期待値のある企業であり、投資家は無意識に企業における現在および数年後の企業業績を逆算している。こういった期待値は、①企業が販売する商品の将来性 ②増収増益を繰り返すことでの投資家からの安心感 などにより投資家からの高い評価の蓄積から始まる。そういった期待を獲得した銘柄には投資家から多くの資金が流れ込んでくる。たとえ、決算が一時的に振るわなくても株価は下がらない。一方、現状の業績が良くても未来の業績が尻すぼみになると判断される場合は低PERで放置される。このように株価は投資家の期待値という非定量的な信用具合の評価基準で上下に変動し、そのブレ幅は、PERは10倍以下から30倍後半まで約4倍近くに及ぶ。これだけの開きがあれば収益や財務分析などのファンダメンタル分析で株価を予想しても期待通りの結果など得られない。 ②IT業界の超高収益モデルが時価総額を天空にした 2010年中頃から、GAFAM等がIT分野で独占的なシェアを獲得したことで、製造業が到底太刀打ちできない高収益率ビジネスが可能になり、時価総額を天空の領域に導いた。さらに、コカ・コーラやマクドナルドなどの国際優良企業はフランチャイズのような形式を取り入れて、低収益の事業分野を最大限に切り離して高収益を実現している。昨今の時価総額上位銘柄はこういった高収益ビジネスでかつ独占的な地位を築いた企業に集中している。 ③「成長性」が株価上昇の根源  株価は常に現況におけるすべての材料を織り込んでいる。現状のPERや高収益ビジネスだけで上昇軌道を描けるものではない。市場が嫌うのは飽和であり成熟であり、いつでも市場は、企業側にさらなる好材料か更なる成長期待を求めてくる。 こういう要求に応えて成功した例...

遺伝子が人間の未来を支配

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 1.人は常時面白可笑しく、そして楽天的に生活できない  人は、常に不安に駆られることで未来に対する不確実性や周辺から身を守るようにできている。これは人というより生命が地球上で40億年に渡って絶滅しないように培ってきた知恵であり、1万年程度の進化しかない人間の遺伝子にはどうしようもできない本能(機能)でもある。この本能の厄介なところは、科学技術が著しく向上し、安全に生活できるようになった現代人にとって、不安が日常生活におけるリスクテイクと重なり、不必要な事に対して異常なくらい振り回されている。しかし、この機能を取り外したら人間は間違いなく絶滅に向かう。それだけ細菌などのウイルスや地球上の森羅万象は人の叡智を遥かに超えたところにあり、不安というものに駆られなければ人は適切な防御ができないからだ。こういった事情を垣間見れば、遺伝子は不安を煽る機能を取除くことは決してしない。人間は常時面白可笑しく、そして楽天的に生活することは不可能であることを理解しなくてはいけない。 2.オスとメスのそれぞれの生存戦略 ①オスによる弱肉強食戦略  政治家の縄張り争いは、猿山のボスザル争いと大きく変わりない。動物のオスは優れた遺伝子を誇示しようと争いをし、それに勝ったものだけは遺伝子を残すことができる。つまり、メスと交尾をすることができる。そうでない遺伝子を持つオスは、子孫を残すことができない。オスにはそういった弱肉強食がオスの行動原理であり、つい最近まで、争いに勝ったオスの一族は王族などの支配者になり、その周辺の貴族などの既得権益層と共に酒池肉林の贅沢な生活をする一方、圧倒的多数の民衆は過酷な労働を余儀なくされるだけでなく、ろくな食べ物を得ることも出来なかった。 ②メスの戦略による能力平準化作用  一方、メスは優秀なオスを誘惑するフェロモンをどれだけ出せるかで勝負する。オスはメスの能力よりもそのフェロモンに騙されるといって良い。このフェロモンと動物的な優秀さは比例しない。例えたら、超高収入のビジネスマンや医者を目当てにモデル並みの超美人が近づいて結婚することは多い。その場合、母親の遺伝子を継いだ子供は総じて優秀ではなくドラ息子になってしまう。逆に容姿は劣るが頭の良い女性は競争社会で優位性を獲得していない男と結婚することが多いが、母親の血を引き継いで子供がとてつもなく優秀になること...

ヒューマノイドとの恋愛の現実味(近未来予想)

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  1 . 結婚が遠くなり果てた SNSの普及によって、若い層になればなるほど、コミュニケーション能力も低下し、男女の恋愛がそもそも困難になった。会社や公の場所での求愛行動も一歩間違えばセクハラになってしまう。昭和と違い私生活において男女の交際のチャンスは激減している。  そもそも男女の恋愛はロマンチックとは程遠く、お互いの見栄と社会的な拘束の側面が強い。恋愛における「付き合う」という行為は、双方がとにかく異性と付き合いたいという衝動にすぎず、いわば恋愛をしていることに対する他人へのマウンティングや自己陶酔の側面が強い。ところが今の時代は、 ただひたすら 自分本位な気持ちが先行し恋愛がスムーズに出来なくなった。結婚相手に対しては、スペック偏差値、容姿、自分の性格の合う人などの要求を臆面もなくしてくる。これでは、相手側も疲れ果てて、途中で頓挫する。 そういった点では、スポーツやなんかで成功した者や総合商社などの超一流企業に勤めている人は、相手側からみた基礎的なスペック条件が満たされるので、純な気持ちでの交際に発展し、結婚までスムーズに進む可能性が高い。 2.「一生独身」という選択肢  ほんの50年前なら30歳前の女性が独身でいると、それだけで世間的に非常に肩身の狭い生活をおくったものだ。このため、適当な人をみつけてとにかく結婚しなければいけない社会的圧力が強かった。男の方は、40歳近くなって独身でいるとどこかに問題や欠陥があるのではと勘繰られたりした。結婚するということは、適齢期になったら当たり前にしなければならない儀式に近かった。ところが今の時代、女性が社会進出化したことで結婚が社会通念上の義務ではなくなり、選択肢の一つに変化した。このため、男女とも自分の理想の相手を求め続けてしまい、かつてのような妥協を忘れてしまった。そのようなミスマッチのまま年齢を重ねていくうちに結婚を半分あきらめ、一生独身でも良いという気持ちに変化し、独身が増え続けている。 3 . ヒューマノイドによる恋愛革命  男女とも本当はいつの年齢になっても恋愛や結婚はしたいのである。ただし、それは自分自身に都合の良い条件つきだが。そんな事が近未来では現実のものになってしまうかもしれない。それはヒューマノイドロボットの誕生である。自分好みの顔、スタイル、そして性格にカスタマイズする。そうなると、...

家系消滅の時代と「Die with Zero」

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 (家系消滅の深刻さ) 由緒ある家系とそうでない家系。かつて人々はそんなことでマウンティングをしていたが、今の少子高齢化によって家系の良悪に関わらず子供がいない事で自分の代で家系が途切れる危機にさらされている。どんなに社会的に優越的な立場にいても自分の血を引き継ぐ子孫がいないのは深刻な問題である。これは人生後半になればなるほど当事者に重くのしかかって、「土から土に戻る」境地に苛まれてしまう。そういった意味ではすさまじい勢いでの少子化の進行により、あと10年、遅くても20年もすれば、次世代に子孫を残せない老人が大半を占める現状を踏まえ、次世代に向けて子孫を残せている人達が本当の意味での勝ち組であると称される日もそう遠くもない。 (「Die with Zero」時代の到来)  生物である限り、永遠はなく、全ては線香花火のように寿命の制限下で踊らされている。人生の後半になれば自分自身の残してきた財産の後始末が必要になってくる。自分自身のお金を引き継ぐ子孫がいないなら、お金だって残しても意味がない。自分自身の貯めた資産は命が尽きるまでに使い切ろうという事になり、瞬間風速で億越えの富裕層に到達しても、しまいには有名な「Die with Zero」で人生の終焉を迎えることになる。そういった人たちが徐々に増え始め、多数派になることも否定できない。 逆に、子供や孫がいれば、自分の家系が末永く繫栄するための頑張りができる。だからこそ、子孫のために資産を残さなければならない気持ちにもかられる。そういった点では資産の残し方という点でも二極化された社会に突入する。 (「金持ち3代、貧乏5代」も消滅)  中国には「金持ち3代、貧乏5代」の諺がある。科学的にもこの循環説はまちがっていないと想定されるが、これだけ少子化が深刻化した昨今においては、この過程の中で家系が消滅することを心配しなくてはいけない。 「一代目が財をなし金持ちになると、その子ども(二代目)は親の姿を見て育つので努力の価値を知っている。しかし、自分の子(三代目)にはそんな苦労をさせたくないと過保護に育てるし、また、三代目は生まれながら金持ちの子どもでスタートするので努力することを知らない。それが災いして家を潰す。その子どもは家が没落しているので貧乏で育つ(貧乏初代)、次の子は生まれながらの貧乏(貧乏2代目)。その子どもも...

日本に漂う閉塞感の正体(その2) 不安遺伝子の呪縛

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 日本に漂う閉塞感の正体 ( https://investment-v3.blogspot.com/2022/04/blog-post_16.html )を書いているうちに、日本人のこのような行動を促しているのは別の要因があるのではないかと感じた。日本人の行動はあくまでも結果であり、原因ではないという事である。 (遺伝子学からの考察)  不安感を直接抑制する物質はセロトニンであり、人はセロトニンを多く持つ(L(ロング)型楽観遺伝子)と、少なく持つ人(S(ショート)型不安遺伝子)に分かれる。 「S」型遺伝子保有は、日本人80%、韓国79%、中国人75%、台湾人70%、スペイン人47%、アメリカ人45%、南アフリカ人28%という調査報告があり、人種で不安の許容度が大きく異なる。さらに、不安遺伝子「SS」型を日本人は68%で、アメリカ人は5人に1人、逆に、アメリカ人は楽観遺伝子「LL」型遺伝子を3人に1人が保有し、日本人は2%弱に留まっている。日本人は遺伝子学的にも不安を抱えやすい民族であることが言える。この事は同じ出来事に遭遇した場合、日本人は「深刻」に考え、米国人が「偶然の出来事に過ぎない」と考え、アフリカ人は「これが悪い出来事なの?」程度の開きがある事を示唆している。 (単一民族の島国であるがゆえに強制される空気感) 日本人は、とかく空気感を重視する。それは、単一民族国家であることに要因があるのであろう。つまり、国全体は村社会でどこに逃げても同じ考えの人達しかいない。海外と異なり逃げ場に苦慮するのだ。さらに、諸外国のように自分達と全く異なる言語や習慣を持つ民族と常に争いごとを繰り返し、他民族の支配下におかれたこともないので自分たちの意見をはっきりいう事の大切さを奥のほうに追いやった。しかしながら、日本人のような単一民族が、これまで他国に攻められることが殆どなく、国の統治者が同一民族であることを踏まえると、本来ならおおらかな性格になるべきであるがそうなっていない。村社会の掟が他国と比べて想像以上に酷であったことの証であろう。 (不安遺伝子の多い理由) 日本人が不安感を強く抱くのは、遺伝子学から見れば古代の日本人の祖先のつらい記憶であり、それが現代人に引き継がれていると言える。では、このつらい記憶はいつの時代のものだろうか。今の人類の原型はアフリカで生まれ、そこ...