21世紀的幸福論(地方生活、3世帯家族)

日本では。より収入の高い職業についてより良い生活が叶えられるように、馬車馬のように競争社会で闘い続ける人生を多くの人が強いられている。その結果、医師や総合商社マンのような高収入な職業に就いた者が人生の勝ち組として憧れの的になる。一方、大多数の人たちは、十分な収入が得られず、日々お金と格闘し老後不安を抱える人生を強いられている。しかし、そういった現状の価値基準を少し発想を変えれば、違う世界が表れてくる。例えば、両親のリソースを借りられるならそれを最大限に利用すればお金に対する束縛から逃れられる。都会に未練がないなら地方で豊かに暮らす。21世紀にはそんな発想転換も必要なのである


1 地方過疎化の裏側にある豊かさ

 少子高齢化による地方過疎化は、産業衰退や街のゴーストタウン化など深刻な問題を生じさせている。しかし、下記は総務省のデータである。これを見る限り、地方都市の世帯当たりの平均収入はそれほど低くない。信憑性の高い統計から読み取れる事として、過疎化は進んでいるものの、物価面などを考慮すればば都会と地方間での収入格差はそれほど著しいものではない。一部の県においては都心より明らかに裕福であるという実態すら浮かび上がってくる。

これの意味する事は、地方では製造業中心に海外移転が進み市街地が衰退している。とはいえ、地元でそれなりの仕事に就いている人たちの生活水準はそれなりに高いということだ。


2 地方の知られざる現実 

 これら統計値において特筆すべきは富山県であり、都道府県の世帯当たりの所得ランキングで4位という順位を記録している。日本海側の北陸という過疎地にも関わらず、首都圏と同等の所得を得ているのだ。富山県のホームページには、これら理由として富山県は地元を地盤とする中小製造業が多い事。3世帯同居し、嫁、両親(祖父、祖母)も一緒に働くことで世帯収入を膨らましている。地方は都会に比べて不動産や生活費が安い。それなりの収入が得られれば、高い生活水準を得られることも可能だ。

3 地方での生活を逆手に取る

 核家族世帯では、これまでは夫が働いて、妻がパートや専業主婦のスタイルで家計は夫の収入の一本足打法のようなものであった。このため、夫の会社へのしがみ付きは相当なものとなる。都会では、一生かけて購入したマンションも2世帯が住むには狭すぎて、子供はゼロベースで人生を歩むことを延々と繰り返せざる得ない。

 しかし、富山のケースのように、親の家を増築して子供夫婦が生活するとなると、住宅ローンの束縛から解放される。両親が貯蓄を削ってキャッシュで払ってくれることも珍しくない。収入面でも、両親の仕事や年金、妻のパートなどが加わるので夫が一家の大黒柱になる必要もないし、収入だけを目当てにストレスフルな仕事に就く必要もない。都会のように通勤時間も長くないので、家に帰れば十分に自分の好きな事に勤しむことができる。

3.子育れからの解放

 地方で生活することへの拒否感がないなら全国区とは言わないまでも地方の名門企業に勤めるという選択も現実味がでる。給料は多少下がるものの、購買力は都心の一流企業並みのな豊かさを体現できる。地方に拠点を置く名門企業への就職には東京一科、早慶、旧帝大などのブランドは必要ない。日東駒専クラスで十分である。そうなると、子供教育は、高校まで公立で十分で、大学は中堅私立、頭が良ければ地方国立大学程度でよい。都会でも3世代世帯が可能なら、地方同様に中堅の一部上場企業クラスで十分で、日東駒専クラス、頭が良ければMARCHクラスで十分であり、都会においても子育ての負担から解放される。

4.親を頼ろう

 最近のトレンドとして、パワーカップルという新しいサラリーマンの勝ち組が登場した。しかし、そんな競争社会にどっぷりつかる人生が本当に良いのか?。身を粉にして生きるのではなく、親を頼る人生も一考である。そうなると、生活費、住居費、子育てなどの様々な負担が軽減される。人生をより自由にいきることが出来る。最後は、多額の遺産を相続することも出来る。親を頼るという事は親から見ると孤独や寂しさを癒すことになるので、最大の親孝行にもなりえる。双方にとってwin-winの関係である。

 とはいえ、都会では、単純な3世帯住宅はかなりハードルが高いので、近くに住んでお互いに行き来するのも選択肢の一つだ。とくに子供(孫)が親子間の橋渡しをする役割を担う。子供の世話は両親(子供から見れば祖父母)が担当してくれるということだ。両親が元気なうちは、そうやって親に頼ることで、自分たち夫婦はレジャーと貯蓄に勤しむことが出来る。夢のようなセーフティーネットのある社会だ。

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