投稿

7月, 2024の投稿を表示しています

バーチャル婚が当たり前になる時代(社会動向)

初版 2022.10.14 (旧タイトル;少子高齢化と財政破綻) 1.歯止めの利かない人口減少 1980年代までは、日本だけでなく世界中で人口爆発を危惧していた。多くの人がこれ以上に人口が増えすぎては困ると思っていた。ところがバブル崩壊を境に、日本人は次第に結婚をしなくなり、そして子供を産まなくなった。これは、バブル崩壊後の不景気という一時的な現象ではなく、年を追うにつれ深刻なものとなり状況は悪化の一途を辿っている。こういったことに、政府も手をこまねいているわけではなく少子化対策を打っているが、今となっては焼け石に水である。それは政府が悪いのではない。お隣の韓国や中国、そしてシンガポール、香港、台湾などは日本以上に深刻な少子化に陥っている。さらに、タイなども同じような少子化に陥ってきた。これは、この100年に起きた社会構造の変化の歪によるものといえ、ちょっとやそっとの政策を打ち出してもどうにもならないところまで行きついているからである。 2.女性が子供を産むメリットが見いだせない 少子化の原因は女性の社会進出に対しての旧来以前の社会構造のギャップにある。 ・女性の高学歴化が顕著になったことで、彼女らの自己実現が出産適齢期と重なってしまう。このため、出産時期を逸してしまう。 ・一方、共働きで子供を育てることは、その女性に対し、20年近くにわたって子供に人生を捧げるだけでなく、5才くらいまでは保育園で絶えず移される風邪などの病気との闘い。病気でも預けられる特別施設をさがし、又はその日だけベビーシッターを雇ったりするなど、365日24時間、子育てと戦う毎日を強いられる。多くの場合、このほとんどを妻が背負うことになる。さらに費用面では、託児所や学童保育などでほぼ一人分の収入が出ていき、中学から大学までは膨大な教育費負担など巨額な出費が待ち構えている。さらに子供のいる家庭ほど、子供の友達との釣り合いも考慮し、一軒家やマンションの購入をせざるを得ない。これらを賄うためには、夫の給料だけでは不十分であり、一定以上の収入を得るために長く会社に居続ける事になり、子供を育てながら周りの男性と同じような成果を上げなくてはいけない。それに解放される頃には50代、遅ければ60代を迎えるが、今度は老後資金の確保が重要な課題となってしまう。 こんな戦場のような毎日を20年以上も続ければ、家には二

トランプ政権誕生による世界経済への影響(7月時点)

イメージ
 大統領選のテレビ討論会によって、バイデン政権が劣勢に立たされ、7月15日襲撃未遂事件でトランプ再選への勢いが増してしまった。そうなるとトランプ政権の現実味が帯びてきた。  不思議なことに、今回の選挙では米国マスコミがトランプを酷評していない。そして、米国経済界の著名人がトランプ支持を明言し始めた。こういった事はトランプの第一次政権の時には見られなかった。これは、バイデン政権でダウが最高値を更新しているものの、米国民の殆どはその恩恵を被っていないことが示唆される。その現状に対し、バイデンを厳しくたたくことをしないが、多くのマスメディアや企業経営者も同様の意見と推測される。賛否両論かもしれないが、前回トランプ大統領就任時の経済政策に対して、米国民からは一定の評価があるものと推測される。 しかし、この襲撃事件後、トランプは様々な政策を発表したが、その内容に疑念を抱くマスコミは、結局のところ、次の民主党候補者であるハリスを全面的に押し始めた。 米国の知識層とトランプは水と油の関係で、両者が融合する事はほぼ不可能なようだ。 〇米国経済への影響 トランプ大統領は、米国第一主義を掲げる。そのため、基本的には米国民に対し利益の生まないことは行わない。そして、彼は政治家ではなくビジネスマンである。米国経済や株式市場が下降気味になることはない。ただ、その中身はバイデン政権とは異なり、米国の保守層に恩恵を与える政策に終始するので、米国の内需銘柄が恩恵を被る可能性が高い。その一方、GAFAM内でも前回の選挙時にトランプに厳しい対応をしてしまったメタ(フェイスブック)などには顔色の悪い施策を打ち出してくる可能性がある。それがTIKTOKの存続であり、まさしくフェイスブックに利を与えない姿勢をとっている。  金利政策については、トランプはトランプなりの手法で金利を操作するであろう。金利を引き下げてもインフレ率を高めないように政策を打ってくるのは間違いない。その一つとして、世界各国への援助を減らして国内経済に投入する。それだけでも相当な額になる。 日本政府に 対しても、駐在米軍の軍事費に多額の負担を求めてくるであろう。それ以外にも、ビジネスマンとしてのトランプ独自の奇策を売ってくる可能性は十分に高い。 〇日本経済への影響  日本においては、円安の終焉。これは間違いなく起きる。しかし、どこまで是

「五公五民」時代における賢い人生の歩み方

イメージ
(辛抱強くないと金持ちになれない) 「金持ち喧嘩せず」という諺がある。そもそも多くの金持ちは、人間関係において、自分の意見を通したり、感情を表にだすことで不要なトラブルを起こすような事を好まない。それがどれだけ自分にとって無駄な行為であるかを金持ちほどよく知っているからだ。  社会生活における強い人とは、腕っぷしが強いとか、声が大きい人ではなく、どんな局面に対しても冷静に物事を進めていけるタイプに他ならない。これを言い換えれば、「辛抱強く、打たれ強い」人であり、付け加えれば、どんな仕打ちをされても、その人の悪口などを言わない人である。  だからこそ、人間社会をうまく渡り歩いて、金や名誉などの何らかの褒賞を手に入れることができるのである。  お金持ちがこういう人ばかりであるというわけではないが、お金持ちはお金があることによる心の余裕から、お金のない人に比べて社会に対する様々な不条理に対する免疫力が高いのは紛れもない事実で、それが結果としてお金持ちでない人と比べ、幸運というものをつかみやすい土壌にあることも確かである。  そもそもお金は、私たちが生きていく上で最も必要不可欠なものであり、お金をたくさん持つことで、社会的な不安が軽減されるだけでなく、社会生活に横たわっている様々なしがらみに対する束縛も軽減されることになる。    (貧乏人ほど心の逃げ場がなく、感情を表に出す。)  一方、お金がない人は、常に社会的不安や抑圧にさらされて、常に満たされていない環境下で生活をおくっている事が多い。その反動から他人への承認要求が強くなったり、対人関係においても自分中心の世界観を他人に押し付け説教がましくなったりして、他人との関係をギスギスさせてしまうことも少なくない。 そしてお金においても、自分の気の向くままお金を使うか、世間的な中流像を追い求め、結果として収入の大小に関わらず資産が少ないという状況に甘んじている。 ( 五公五民時代を意識した資産運用)  そういった点では、セミリタイアやFIREを目指すために、資産を増やすことは社会生活を円滑に送るうえでも賢明な選択である。一定以上の資産があれば、生きる上での不安が軽減され、心に幾分かの余裕が生まれるからである。 とはいえ、日本は生涯にわたって五公五民、いや六公四民を強いられる時代に突入する。これら時代を真正面に受けたら、ちょっと

国民健康保険料に垣間見る日本経済の歪

イメージ
  日本は、世界に誇る「国民皆保険」制度の国であり、外国とは違って、少ない保険料負担で安心した医療を受けられる素晴らしい国である。しかし、国民健康保険という点では状況はちょっと異なる。  通常会社員なら、会社が属する健康保険組合に加入しても、その保険料は会社との折半のため、大体給料の5%程度が差し引かれることになる。国民健康保険料の場合、なんと会社との折半がないので年収の10%程度を国民健康保険料として支払わくてはいけない。  これは、年収100万円なら10万円 300万円なら30万円ということになる。 実際には、減額制度のあるようなので規定通りに支払うとは限らないが。どう見ても加入者にとって大きな負担であることには変わりない。  一般的に、国民健康保険は、高齢者や無職やアルバイト、そして個人事業主がその対象となる。これら与信の低い層を対象にしているとなると納付延滞率が気になってしまう。  とはいえ、国は納付者の与信など気にかけていない。被保険者が納付を怠ると市役所からの督促がかかり、それを無視し続けると財産差し押えにまで発展する。すごい、消費者金融と変わらないではないか。消費者金融は用途のあるお金の借金。国民健康保険は。医者にかからなくても必ず払わなくてはいけない。  それでも、加入者からの納付だけでは国民健康保険の運営を維持することができず、結局のところ、国からの多額の補助金でどうにか体裁を保っているのが現状だ。 今後は、少子高齢化が進むことで退職した高齢者(74才まで)を中心に国民健康保険に加入者は増加することが予想される。また、その多くは持病を持ちであり、常時通院をしている人も少なくないので、放置すれば国民健康保険の財政を圧迫する。国は高齢者に雇用を推進して企業側の健康保険に入ってもらいたいというのは本音であろう。    こういった事情を考慮すれば、多額の金融資産を保有して、数百万の配当金収入を得ているセミリタイア層が増税のターゲットになるのは必然である。これらセミリタイア層は。多額の金融資産があるにも関わらず、国民健康保険料ては、最低ランクの4~5万円程度しか支払っていない。仮に200万円程度の配当収入がある場合、勤労所得者との間で、国民保険料だけでも15~6万円分だけ支払額が軽くなってしまう計算だ。さらに、これに国民年金、所得税、住民税等を考慮したら推定

高齢者間の経済格差の深刻さ!

  高齢者が働きながら年金を受け取る場合、収入と年金を併せて50万円を超えたら、その超過部分だけ年金額の支給がカットされる仕組がある。  この制度は、カットされた年金分だけ後日年金額として加算されることはなく、超過分を国にプレゼントする非常にドライな制度でもある。   では、このような高齢者(65歳以上)がどれだけいるのだろうかというこことになるが、政府資料によると、65歳以上で働いている人は550万人超で正社員が130万人程度。そして、仕事しながら年金を受けている人が300万人、その中で50万円以上(年金+収入)者が50万人。65万円(年金+収入)以上が25万人と結構な人数となっている。  なお、これは在職年金を受け取っている人だけの数字であり、大企業役員や団体理事などは1000万円を軽く超えてしまうので年金など必要なく受給年齢を繰下げしている。そのため、50万円以上の収入を得ている高齢者(65歳以上)はこの数字よりさらに数万人上乗せされることになる。  バブル崩壊後、多くの企業で人件費の高い50代を大量リストラし続けて社会不安を起こしてきたが、マクロ的な指標でみれば550万人以上の高齢者(65歳以上)が働いている事実はプライドさえなくせば、今の日本には働く場所がいくらでもあるということだ。  単に、都心の一等地にオフィスを構え、ほどほどの収入を得ながらホワイトカラー的な仕事をしている層が、高齢になるにつれその経歴に見合う仕事を見つけられず仕事探しに苦労している実態をマスコミなどが誇張しているにすぎない。  一方、これらホワイトカラーの中で定年以降も働くことが出来た人たちが、この年金制度カットの対象組になっているのは間違いなく、年収という点見れば一目瞭然となる。65歳以上の平均年収(正社員)は65~69歳で約309万円、70歳以上で約286万円。55~59歳の平均年収が約444万円であることを考えると、極端な減額となっていない。つまり、これら高齢者は、その分野において基幹的な仕事をしてきた人、または、定年後も有利な条件で雇用を延長している人たちであると推測される。恐らくであるが、これは事務系ではなく技術系の半ホワイトカラーがその大半を占めるのであろう。  このように高齢者の収入格差は現役世代よりはるかに大きいことが分かる。日本社会には、年金を含めて50万円以上の収