日経225構成比率の考察2021.06.19
1.上位11社だけで構成比率の42.3%
日経平均の構成比率を考察していきましょう。
日経平均は225社で構成されていますが、
上位11社だけで寄与率の42.3%(図1)を占めています。
この結果は、これら11社によって、日経平均の動きを左右していることになります。
2.2:8の法則(上位2割で日経構成比率の3/4)
では、2:8の法則に従って225社の20%である上位45社に当てはめると、その比率は、74.4%(図2)に昇り、ほぼこの法則に合致します。
となると、残り180社で構成比率の25%強となります。
このことは、残り180社の株価が大きく変動しても、日経平均への影響は軽微であるということを示しています。
3.日本株式会社の影響力は限定的
日本を代表する重厚長大系企業、及び高度成長期に輝いていた中堅企業群は、上記180社にいます。この10年間に全くと言っていいほど振るっておりません。
これは日本経済の中心部から外れていることを示しています。
しかし、日経平均の寄与度に関わらず、多くの労働者はこの180社、及びその関連企業で働いています。労働と言う面では、上位45社の寄与度は限定的です。
ここに社会生活と日経平均に乖離が生じています。
日経平均はアベノミクス以降に2.5倍に上昇しているにも関わらず、これら恩恵は一部の銘柄に限られていることがこのデータからも読み取れます。
4.アベノミクスの実態を映す鏡
年齢層の高い投資家は、知名度の高い重厚長大系企業の株を中心に保有しています。このため、こういった銘柄の株価が上昇しないと本当の意味において一般投資家を潤すことはできません。
アベノミクスにより日本の雇用環境が良くなったのは紛れもない事実であります。これはこれでよい事であります。
しかし、このデータでは、バブル期まで世界を席巻した日本株式会社は、今もってしても厳しい状況におかれていることを物語ってもいます。
一見好調そうに見える雇用情勢とは裏腹に、日本の中流層を支えるサラリーマンの苦境を映す鏡ともなっています。
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