ハイテク銘柄バブル崩壊の兆しの現象を検証 220423

 今年の世界相場は、高インフレが起因の金融引締め圧力、そして中国のゼロコロナ維持によるロックダウン、と相場の下押し圧力に事欠きません。

 幸い、ダウやナスダック等のインデックス指数は、そんな中でも持ち堪えており、大きな下落には至っておりません。日本においては、円安進行という神風でこれら下落分を相殺しているだけでなく、逆に資産が増えている投資家も少なくありません。

 しかし、相場の変調はこれから説明する通り地中深く静かに進行しています。そのトリガーは、どうもハイテクバブルを起した新興IT企業のようです。

1.  ネットフリックス、ペイパル



 これら銘柄は綺麗にバブル崩壊のチャートを描いています。この分だと会社の業績に関わらず、過去に多くのバブル銘柄が歩んできた株価の長期低迷の軌跡を歩むことになりそうです。

.  メタ、エヌペディア


 

これら銘柄は、GAFAの一角と半導体の盟主というある意味大物です。しかし、株価は冴えません。メタに至ってはGAFAの一員と言えども、事業範囲の狭い事が禍いしているのか、ネットフリックスやペイパルと同じ立ち位置で扱われているようです。一方、エヌペディアは高すぎたPERの是正が絡んでいるようです。


3.アップル、アマゾン


 

王者の風格が漂っているのか、株価への影響は殆どと言ってありません。アマゾンは昨年度から成長鈍化が決算に表れていますが、株価への影響は今のところ軽微です。次決算も期待薄ですが、株式分割と自社株買いの発表のおかげで下値圧力がありません。アップルに至ってはすこぶる堅調です。

これら企業は世界中で最も英知の集まった超超優良企業です。なので、今後の動向は簡単には予測できません。


.  まとめ

 上記の通り、局所的ですがITバブル銘柄の崩壊は始まっています。世界は深刻なインフレ下にあり、世界中の中央銀行が金融引き締めに動いています。これは新興ITバブル企業にとっては大きなマイナス要因です。今後は、何処まで裾野が拡っていくかが焦点です。

 この辺も踏まえ、ハイテク企業の今後の決算等の動向を注視していく必要があります。

追記)当時、私は、チャートを眺めながら2000年前半のITバブル崩壊を意識していた。つまり、IT銘柄は相当な期間をかけて調整局面に入るだろう。その間は、優良バリュー銘柄が台頭するというその当時を雰囲気に流されていた。あの、IT成長株投資家の大家であるキャッシー・ウッドも過去の人になる。しかし、翌年にはマイクロソフトがCHATGPTを武器にAIバブルを仕掛けた。これによってIT銘柄は再度息を吹き返すことになった。今回は成長株であるがバブル崩壊の定石まで覆ってしまったことになる。歴史は繰り返すというが、歴史は同じ事を繰り返さずに形を変えて繰り返す。これをこの相場に当てはめると過去のバブル崩壊に繰り返すほどの悪質なバブルでなかったということにもなり。この解釈が正しいかは難しいが、安易に過去の事例を見比べて未来はこうなると断定していけないということを、この相場から教えられたような気がする。

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