22世紀 非婚化の向こうに恋人(ヒューマノイド)の時代がくる(:時事情報の分析)

 〇出生率低下は自然の流れ

 日本だけでなく世界中で出生率が低下している。これは女性の高学歴化と米国的なリベラリズムの浸透と時期が重なる。そもそも高学歴女性は、キャリア実現と出産適齢期の20~40歳が重なってしまう。さらに、高学歴がゆえに結婚相手のハードルを自動的に高くして恋愛の機会損失を作りあげている。結果として女性の独身比率を高めている。しかし、女性の社会進出は年を追うごとに高まっており、この現代文明が破綻しない限りこの流れを止めることはできないであろう。


〇マッチングサイトの弊害

 男女間の恋愛が難しくなり、パートナーをマッチングサイトに頼るようになったことで結婚難を助長してしまった。マッチングサイト上に記載するスペックが出会いの足切りとなるという機会損失が起こしている。出会えばお互いに気心が通い合いそうな人に対しスペックのかけ違いで出会う前から拒否をしてしまうということが繰り返される。さらに、「結婚が一生に一度だけする大切なもの。だから結婚する相手は後で後悔しないように慎重に選ばなくていけない」気持ちで相手を選んでいたら、スペックと相性の両方を求めることになり、いたずらに月日を重ねるのは目に見えている。



〇自由恋愛が浸透していない地域だけが人口増という皮肉

 伝統的なアラブ諸国のように、街中で女性が容姿を表立って見せてはいけない。又は、結婚相手は親族や親せきが決める文化が残っている地域は、今まで通りに結婚し、それなりに子供を儲けている。そういった意味では、イスラム圏の少子高齢化は相当先になる可能性が高い。このように伝統的な慣習に縛られている地域だけが現在においても人口を維持できている。限りなく科学を発展させ古いしきたりの壁を崩し続けている現代人にとっては、これは大きな皮肉である。そして、あの米国でさえ、移民がたくさんの子供を産み。2世3世になると少子化に落ち着く。そのため、人口を増やすために常に子供をたくさん産む新しい移民を大量に受け入れることになる。それで人種論を展開しているのは皮肉なパラドックスにしか見えない。


〇あのインドにも非婚化の波

日経の記事に、「インドで1億人がアプリ婚活 人生の選択AI頼み」という見出しがあった。これを読む限り、我々の想像以上にインドにも先進国と同じような結婚難や少子高齢化の波が水面下で進んでいるようだ。これでは、インドは発展すればするほど、特に中流層を中心に非婚化社会が構築されるのは間違いない。 自由恋愛社会は、恋愛を不自由にしている。まさしく、人間は科学の力によって人間を淘汰しているようだ。



〇新しい家族形態の出現

 科学技術の進展が家族形態を変えるかもしれない。表向きに人間と同じような肌をまとったモデル級の美人や美男の人型ロボットが市場に出回る時代が来たとき、そのロボットを購入し、自分と相性がいいようにアプリで性格設定をすれば、ハイレベルな女優や俳優のような最高級の美人や美男と四六時中に渡って、甘い時間に浸れることになる。さらに、辛いことがあって時なども自分の全てをさらけ出しても優しく包み込んですらもらえる。愛情の印として抱きしめても、その抱き心地すら本物の人間と変わらない。そうなればそんなロボットと離れられなくなるのは必然だ。

 22世紀にはそんな時代が訪れ、ロボットに人権を与える議論が出てくるかもしれない。そうなると、子供は欲しい人だけ人工授精で授かる時代。そして家族は、妻(人間)、夫(美男ロボット)、子供(人工授精での出産)又は夫(人間)、妻(美女ロボット)、子供(人工授精で代理出産)という形態が出現する。

「アリサ、ヒューマノイド」より
映画「アリサ、ヒューマノイド」より

 22世紀には、人間同士の夫婦の割合は限りなく少なくなってしまうかもしれない。

 

 2023年時点では、滑稽な発想に思えるかもしれないが、AI技術が成熟していくにつれて、ロボット技術に焦点が移るのが自明だ。AIで人間の脳を作れれば、あとは人間の肌と全く同じような素材を研究し、商品化すれば人間型ロボットは夢物語ではなくなってしまう。そこまでには、技術的には想像を絶する様々な工夫とテクニックが必要になるがそれに成功した企業はGAFAMやテスラ並みの隆盛と富を得ることができる。そんな不可能を可能にする野望を持った若者が世界中から米国に集まってくる。一度実用化への点火をすれば、あっという間に技術の革新が訪れてしまう。


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