「物価高騰の潮時も近い?」ニュース記事から読み取れること

○物価に関するNHKと日経のネット記事を並べてみた。

①8月の実質賃金 3か月ぶりマイナス 物価上昇に賃金追いつかず

 8月の働く人1人当たりの所定内給与は、前年同月比3.0%増加して31年10か月ぶりの高い伸び率となった一方、物価上昇に賃金が追いつかず、実質賃金は3か月ぶりにマイナスとなった。

②8月家計調査 2か月ぶりの減少 前年同月比1.9%減

総務省が発表した家計調査によると、今年8月に2人以上の世帯が消費金額は29万7487円で、前年同月比で実質1.9%減った。

③大手牛丼チェーン 客つなぎとめへ 価格引き下げの動き相次ぐ 

大手牛丼チェーンは、物価上昇で牛肉などの仕入価格が上昇することから4年連続で牛丼の価格を引き上げたが、今度は来店客をつなぎとめようと一時的に価格を引き下げる施策に打って出た。吉野家HDは、「牛丼は日常食であり、消費者の生活防衛意識の影響を直接受けてしまう。お値打ち感を出して客数を底上げたい」と述べた。

④イオン 8月中間決算 最終的な利益76%減 人件費増などで

 「イオン」は、今年8月までの半年間の決算について、従業員の賃上げによる人件費増加と消費者の節約志向の受けての値下げで、最終利益が去年同時期比で76%減った。 吉田昭夫社長は「原材料価格の上昇が続く中で、価格競争が激しくなっている。この先もコストの上昇が続くことを前提に、事業構造を変えていかなければならない」と述べた。

⑤サイゼリアが最高益 貫いた低価格、倹約中国でも稼ぐ

 サイゼリアが中国を中心とするアジアで快走している。2024年8月期連結決算は純利益が前期比58%増の81億円となった。けん引役は倹約志向が強まる中国で、物価高では逆張りとも言える強みの低価格戦略を磨き国内外の出店を加速する。

⑥セブン&アイ2割減益 3〜8月、米国でコンビニ苦戦

 セブン&アイ・ホールディングスの2024年3〜8月期の連結営業利益は、前年同期比2割強減となった。米国でインフレを背景に消費者の消費意欲が減退し、現地のコンビニエンスストア事業が振るわなかった。


〇投資家としては、これらの記事を並べられても判断のしようがない。①と②はアベノミクス以前から続いている記事の常連というべきもので、富めるものがいる一方、大多数の国民の生活は苦しくなっているというもので、株価に大きな影をさすことはない。

③は興味深い記事で、牛丼チェーンのこのような動きは、値上げも天井に近づいてきたことを暗示させる。つまり、これ以降は、値上げをしなくても利益を稼げる企業が強くなる時代が到来したのかもしれない。④のイオンは、それを察知し利益の底上げができていない。

⑤と⑥は対照的で、低価格戦略を貫く、サイゼリアが最高益で、価格調整が出来ないセブンは減益。セブンのこのような経営では、カナダなど企業から買収の提案がくるのはうなずけなくもない。逆にサイゼリアは、上手な経営をしている。経営者を調べていないが優秀な人であることは推測できる。


〇投資家が考える事

 私は、評論家によるフィルターのかかった説明より、何気ない記事から推測していくことを好んでしまう。この数年間、リバウンドするようにインフレが起こったが、このままの右上がりは難しく、一歩間違えば政治問題になりそうだ。

金融緩和をしても高度成長期のように全員に富が回らない時代。これ以降、物価政策は政治の重要なテーマになっていくであろう。

やはり、企業経営はコスト制御にたけた企業が勝つということだ。時間もたてば外食産業も。値上げ路線を訂正してくるうであろう。しかし、セブンアイホールの衰退も気にかかる所で。日産のように優秀な経営者を追い出したツケが表面化してきたのであろう。


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