AIが導く相場黄金期の終焉:ビッグテック「バベルの塔」の崩壊前夜

(決算の裏に潜む社債調達の急増)
 ビッグテックの2025年12月期の最新決算は一見すると堅調に見えるものの、その裏側では AI投資負担が急速に膨らみつつある。
 Alphabet、Microsoft、Meta、Amazon の4社は、2026年に合計7,000億ドル規模の設備投資を行う見通しであり、2025年比で60%以上の増加とされている。
 内部留保だけでは到底支えきれず、各社は社債発行を急増させている。 ・Google(Alphabet):300億ドルに続き、マルチカレンシー債や100年債の発行も浮上。 
・Meta:300億ドルを発行後も追加起債を予定。
・Amazon:150億ドルを発行。  
・Oracle:180億ドルに続き、250億ドルを起債。    ・Microsoft:AI投資拡大に伴い増発懸念。 
問題は、こうした投資が一過性のものなのか、それとも恒常化するのかという点にある。 

 (終わりなき投資競争)
 この巨額な投資競争の背後には、AI特有の製品ライフサイクルの短さという底なし沼が存在する。AI普及が進むほど更新スピードが上がり、企業は途切れることのない投資を強いられる。  
・建物寿命は 10〜20年 、内部設備 2〜4年で更新  
・AIチップの寿命は 1〜3年
・ネットワーク設備は 3〜5年で更新  
・会計上の償却期間(5〜6年)
と実態は乖離  ビッグテック幹部もAIバブルの可能性を認めつつ、
   Meta のザッカーバーグCEOが語るように、 「AIバブルが弾けても構わない。やらないリスクのほうが大きい。人類史上最も重要な技術であり、ここで出遅れることこそ致命的だ」 
というのが業界共通の本音である。 

 (膨大な電力消費と地球温暖化の加速) 
AIデータセンターの拡大は、ビッグテックだけの問題ではない。そこには深刻な電力需給のひっ迫が潜んでいる。AI関連の電力需要は、 2024年:4GW → 2035年:123GW(約30倍) と予測されており、EVの普及、温暖化による冷房需要の爆発的増加とも連動する。 結果として温暖化はさらに加速し、マラリアなど熱帯感染症の温帯地域への拡散といった新たなリスクの顕在化すら現実味を帯びてきている。 

 (莫大な投資競争が世界経済に及ぼす影響)  
現在のビッグテックの動きは、コロナ禍の超金融緩和で溢れた資金の最終到達点ともいえる。莫大な投資は周辺産業に恩恵をもたらす一方で、革新期待が過熱し、時価総額500兆円超の企業すら出現している。これは国家のGDP規模に匹敵し、まさに「バベルの塔」である。 今後は、この塔の拡張を市場がどこまで許容するか。 そして、もし崩壊が始まったとき、米国および各国政府がハイパーインフレ覚悟で追加緩和に踏み切れるのかが焦点となる。
 
 初期段階では、ビッグテックが“スケープゴート”を差し出して延命を図る可能性もある。しかし、設備投資額が現実経済の許容量を超えている以上、大暴落に至らずとも長期調整局面に入る可能性は極めて高い。

 (AI革命の完了を導くのは中国か)
 米国のAI研究には見過ごせないアキレス腱がある。それは、AI研究者に占める中国出身者の比率が極めて高いという点である。もし彼らが中国へ戻り、国家主導のプロジェクトでAI開発に従事すれば、米国にとって重大な脅威となる。 米中対立が激化する一方、AI分野では高度な相互依存が続いている。この構造のもと、中国政府の支援を受けた革新的AIが登場すれば、AI覇権が逆転する可能性も否定できない。 
 そもそも米国の最大の誤りは、コロナ後の景気失速を恐れるあまり、2023年以降のAIブームをバブル化するほど放置したことにある。 将来、研究者が「政府主導で技術を成熟させるべきだった」と総括する可能性すらある。

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