新たな視点で楽しむ日本
(画一的ではない日本人の発想力)
日本人はしばしば画一的な民族だと思われがちですが、実際には非常にユニークで独創性に富んだ国民性を持っている。その好例が、日本人が数多くの受賞者を輩出している「イグ・ノーベル賞」だ。
この賞は「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に贈られるもので、常識にとらわれない自由な発想の証と言える。例えば2019年には、愛知県と京都大学の研究チームが「牛にシマウマのような模様を描くと、吸血バエからの被害が減る」ことを突き止め、賞を受けた。この研究では、白黒の縞模様を塗った牛は、何もしない牛に比べて吸血昆虫の数が半分以下になったと報告されている。こうしたユニークな研究が生まれる土壌こそ、日本人の面白さの一端を示している。
(江戸時代に秘められた先進性)
日本人の多様性を育んだ歴史的背景として、江戸時代の再評価は欠かせない。かつて教科書では、鎖国によって世界から取り残された停滞の時代と描かれがちだった。士農工商の身分制度や重い年貢に苦しむ農民の姿が強調され、明治維新によって初めて近代化が始まったと教えられてきた。
しかし、近年では、以下のようにその価値が見直されている。
①庶民が主役の文化
王侯貴族が文化の中心だった多くの国とは異なり、江戸では庶民が文化の担い手だった。浮世絵、歌舞伎、俳諧といった多様な文化が町人の中から花開いていた。
②柔軟な社会構造
「士農工商」という身分制度はあったが、決して固定的なものではない。例えば、4代将軍・家綱の生母は、一介の町娘であったと伝えられている。実力や才覚、時には運によって、人が身分を越えて活躍できる余地があった。
③世界最先端の経済システム
経済面でも革新的な取り組みが見られた。大坂の堂島米会所では、世界で最初の本格的な先物取引が行われていた。また、時代によって大胆な金融緩和や引き締め政策が試みられるなど、農耕経済であった一方、一部では極めて高度な経済システムが機能していた。
(「鎖国」が育んだ独自の感性)
もちろん、江戸時代に階級制度の軋轢や、時に為政者の腐敗による百姓一揆などが存在したことも事実。しかし、社会全体を見れば、それは人々がたくましく、ユーモアと創造性をもって困難を乗り越えてきた時代でもあった。
厳しい生活の中でもそれを笑いに変え、芸術へと昇華させるエネルギーが、町人文化を大きく開花させた。この内なる動きが、明治維新後の急速な近代化を成し遂げる原動力になったと言える。「鎖国」によって西欧の技術導入は遅れたが、そのおかげで西欧的な価値観に一方的に染まることなく、日本独自の文化と精神性を深く醸成できた。
(現代日本を味わい尽くすヒント)
現代の日本は、時に強すぎる同調圧力に息苦しさを感じる。日本企業は欧米と異なり組織力を武器に、組織間の連携に力を入れる。そういった生活を40年以上続けることが、日本社会における息苦しさの根源となっている。その延長として、常時監視されているかのような束縛感を感じることも少なくない。
しかし、一度海外で暮らした人が、外からの視点で日本を振り返ると日本の良さを再発見する例は少なくない。世界トップクラスの治安の良さ、交通網の正確さ、食文化の豊かさ、サービスの質の高さなど、国内にいると当たり前に感じてしまう魅力が、日本には満ち溢れています。
例え秋葉原のポップカルチャー、地方に残る伝統的な祭り、四季折々の美しい自然など、日本には無数のユニークな魅力が隠されています。この国の奥深さを探求出来れば、日本の生活は極上なものになるはずである。
同時に日本の社会に組み込まれいくと、同調圧力の渦に飲み込まれていく。そういった事に逃げたいのなら、お金を蓄えるしかない。どのように頭を巡らしても、お金以外に同調す力や生きづらさを取り除く手段はないのだから。
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