人間を支配する認知バイアスと承認欲求のワナ
1.物事は常に変化する
物事の根源を辿ると、森羅万象に共通する大きな特徴として「変化」がある。
物事は常に変化し続けており、この世には絶対的かつ普遍的な物事は存在しない。そのため、重要なのは変化そのものを拒否するのではなく、変化に応じて柔軟に対応しながらバランスを保つことである。
生物は約40億年にわたり、環境変化や数多くの試練と向き合いながら進化してきた。その過程で、生存に有利な性質が選択され、人間社会における①~③の行動パターンを遺伝子が生存本能として形成したと考えられる。
① 恒常的な進化(世代交代による新陳代謝)
人間社会や組織を俯瞰してみていくと
新たな仕組みが生まれる→ 成熟する→ 官僚化・硬直化する→ 衰退する→ 改革や革命によってリセットされる→ より進化した新たな仕組みが生まれる
のような循環を繰り返しながら進化をしているように見える。
② 行動原理としての優位性の追求(承認欲求を含む)
生物の生存本能には、他者との競争を通じて生存確率を高める仕組みに支配されている。それは人の歴史を読み解けば、人は社会のどの単位でも
競争が生まれ→ 優劣が生じ→ 格差社会を形成する→一定以上になると負け組から是正や反発が生じ→ 革命などで現状の仕組みがリセットされるが→また、新たな競争環境が形成され、同じループを延々と繰り返す
この循環もまた、歴史上嫌なほど繰り返されている出来事である。
③ 認知バイアス(誇張への傾向)
人間は本能的に「生き残ること」を重視しているため、危険や利益に関する情報に強く反応する傾向がある。
その結果、
・良いニュースは実際以上に良く見えやすい。だからホラが蔓延する。
・悪いニュースは実際以上に深刻に見えやすい。
・噂や報道は注目を集めるために誇張されやすい。つまり両極端な情報だけが広く流布し、平凡な事は流布されない。
という現象が生じる。
2.上記から派生する具体例
上記構造を理解すると、次のような見方ができる。
・貧富の差を完全になくすことは難しい
・社会制度の盲点や隙間は時間の経過伴に大きくなる。
・人の行動には承認欲求によって成り立っている
そして極めつけは
・労働者は永遠に楽にならない
科学技術の発展は私たちの生活を豊かにする一方で、必ずしも労働負荷を減らすとは限らない。例えば、以前は1人で1日2台しか生産できなかったものが、技術革新によって3台生産できるようになったとする。すると企業は、生産量を増やす、人員を削減する、生産目標を引き上げる。等である。
3. 承認欲求をコントロールすることは有効な人生戦略となる
実際には、人は自分が思っているほど他人のことを気にしていない。
他人の失敗や成功は短期間で忘れられ、自分と直接関係する部分だけが記憶に残ることが多い。
だからこそ、自分は誰に認められたいのか、その競争は本当に自分の人生を豊かにするのか
を考えることが重要である。
そこから得られる賢い生存戦略の例としては、
過度なプライドを持たない→「足るを知る」を身につける→ 承認欲求に振り回されない→ 過度な競争領域を避ける→ 自分に合った土俵で価値を発揮する
承認欲求そのものは悪ではない。しかし、それに支配されテシマttらと欲望に終わりはない。いつでも心は飢餓状態から抜けられないのである。
4.おまけ:マーケットの動きに当てはめてみる。
株式市場はつまるところ投資家の欲望を礎に成り立っている。
株式市場が長期的に成長し続けるためには、新しい産業や技術革新による夢の世界を形どるストーリーが欠かせない。このストーリーが出来上がると、玉石混合の情報に人々が酔いしれ、投資家の資金が殺到する。そして極めつけは夢の最終局面でバブルを起こすが、それと同時に人々は夢から醒めていく。とはいえ、実際にはその技術が普及するのだが、夢の実現は投資家にとっては日常のありふれた成熟産業と見なされ、投資対象から外されていく。その結果、株価は低PERしか許容しなくなる。市場は平凡で退屈な日常を嫌うのだ。
そういった観点から、人々のほら話を蔓延させることができるテーマとしては、
・フィジカルAI・ロボティクス
・巨大な電力消費を支える電力・エネルギー分野
・ゲノム・創薬技術
・新たな金融インフラ(中央銀行デジタル通貨、ステーブルコイン、仮想通貨等)
などが挙げられる。
このように投資は、夢の世界という視点でみていくのも面白い。あのテスラも、イーロンマスクが引退すれば単なる自動車企業に成り下がってしまう。そうなると株価は今の十分の一に収まってもなんら不思議ではないのだから
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