AI革命は両刃の剣

 (目まぐるしい科学技術の進歩)

 科学技術の飛躍的な発展により、人々の生活はより高度にそして快適になった。しかし、これらの発展は人間の作業を簡便化する役割が大半だ。例をあげれば、車や飛行機、テレビ、ラジオ、コンピュータなどで、さらにこれら製品を作るための画期的な大量生産方法や生産設備、農業においては食糧増産の化学肥料となどである。これらは、大衆化の均一性に対し生産性を高めるものであり、更なる発展を促すためには、人のもつ闘争本能や感情などの多様性制御を促すツールが必要になる。

(競争がない社会は発展しない)

 人間社会は、ちょっと前までは王政を強いている国が多く、ほんの一部の支配者層と既得権益層が国富を独占し、圧倒的多数の国民は貧困生活を余儀なくされる封建社会が一般的であった。その後、産業革命により資本主義が台頭するが違った意味での壮絶な格差社会が引き起こされ、これに反するように貧富のない社会を目標とした共産主義思想の国家が台頭する。しかし、競争がない平等下の社会では、人は自堕落になりやすく、良悪はあるが過酷な競争でしか富や科学的進化が生まれない事が判明した。現在においては、西欧諸国では資本主義でありながら格差をできるだ少なくする社会性民主主義国家が一般的になっているが、科学技術や産業の発展という点では、資本主義国家である米国と圧倒的な開きが生じている。

(科学技術は人類の感情コントールにまで踏み込んでいない)

 そもそも人の才能は均一ではない。例として、教育において40人クラス全員に東大目指した学力をつけさせる。スパルタな練習でプロ野球選手やサッカー選手を目指させる。こういった取組のもとで、どんなに頑張ったとしても東大合格、プロ野球選手になれるわけではなく達成率は極めて低い。そもそも才能格差に対する社会の答えは曖昧なままである。

 さらに能力が均等であっても、組織内においてはパーレートの2:8法則に従って活躍できる人と出来ない人に分かれてしまう。組織内では上り詰めるためには、大抵の場合、実力ではなく、特定の人に気に入られる裁量の側面が大きい。さらに、国家間においてもその国のメンツが正義より重きをおかれ、マスコミの報道も真実というより当事者が信じる正義感というフィルターでの報道に終始している。

(AIによる人の管理という革命)

 AIの発展は著しい。2030年を超える頃には、AIは産業のあらゆる箇所で活躍するようになる。企業の管理にもAIが活躍する時代が来て、はじめは人の仕事を代替することからスタートするが、これらが一段落するとAIが人を管理する時代に到達するであろう。AIの凄いところは、AIは目的意識などの有無に関わらず際限なく学習できるので際限なく知識を身に着けることが出来ること。また、人間のように利害関係や感情がないのでどんな局面でも冷静な回答や判断ができること。AIが人のように汎用的に脳を使うにはまだ相当の時間がかかるが、特化型で利用する分には人間以上の成果が期待できる。

 しかし、小学校の学業評価から始まって、社会全般の仕事については各個人の作業報告をAIが評価し、さらには昇進候補者もAIが素案を作り、関係者の評価を組み合わせながら決めていき、社長人事もAIが候補者を選定する。ということも可能になるが、こういった利用の仕方についてはいささか疑問が残るかもしれない。 それはAIを教育するのは人間である。AIが判断する物事の善悪は教育者の思想に基づくからである。現時点において社会を決めるのは人の感情に他ならないが、AIに判断をさせた場合、教育の仕方が偏向的だと、人間以上に精巧に判断するが、結果として間違った方向に結びつける危険性あるからだ。

 あと、10年も経つとAIの暴走を止めるべく、AI教育に対する倫理規定などが議論されたり、様々な導入にたいして規制をかけられる可能性もある。



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